10日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比239.17ポイント(0.84%)高の28550.24ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が85.99ポイント(0.79%)高の10931.05ポイントとそろって3日ぶりに反発した。売買代金は1250億3400万香港ドルとなっている(9日は1218億200万香港ドル)。

目先の悪材料を消化する流れ。懸念されていた米国の関税引き上げは、予定通り10日の現地時間午前0時1分(日本時間で午後1時1分)に発動された。中国商務部はその直後に、「相応の措置を取らざるを得ない」との声明を改めて出している。指数は後場寄り後マイナス圏に沈んだものの、程なくプラスに転じた。中国本土株の急伸などが支援材料となっている。

10日に終了した閣僚級の米中通商協議に関しては、進展がなかったと伝えられる一方、11日も継続される見通し。米メディアのインタビューに応えた中国の劉鶴副首相は、「事態打開はトランプ米大統領と習近平国家主席次第だ」と語った。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とムニューシン米財務長官に対し、これを伝えたという。これより先、トランプ氏は昨夜、「(習・主席から)素晴らしい書簡を受け取った」と述べ、電話会談の可能性を示唆している。

ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が5.3%高、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が5.0%高、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が3.1%高と上げが目立った。舜宇光学科技に関しては、今年4月のスマホ用レンズ出荷が前年同月比で60%増加し、前月の42%から伸びが加速したことが材料視されている。また、中国生物製薬は9日引け後、傘下企業が生産するジェネリック医薬品について、当局から医薬品登録許可書を受領したと報告した。

業種別では、中国の金融が高い。中信証券(6030/HK)が3.8%、海通証券(6837/HK)が3.6%、新華人寿保険(1336/HK)が3.1%、中国平安保険(2318/HK)が2.5%、招商銀行(3968/HK)が2.4%ずつ上昇した。

空運・海運セクターも買われる。中国国際航空(753/HK)が5.1%高、中国東方航空(670/HK)が4.6%高、中国南方航空(1055/HK)が3.7%高、中遠海運能源運輸(1138/HK)が3.5%高、中遠海運HD(1919/HK)が2.5%高とそろって反発した。

半導体や5Gネットワーク関連の銘柄群も物色される。中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が2.5%高、華虹半導体(1347/HK)が2.3%高、京信通信系統HD(2342/HK)が7.6%高、中興通訊(ZTE:763/HK)が3.6%高、中国通信服務(552/HK)が2.0%高、中国鉄塔(788/HK)が3.6%高、長飛光繊光纜(6869/HK)が3.5%高。華虹半導体については、1~3月期業績の2割増益が好感された。香港市場は週明け13日、仏誕節のため休場となる(14日から取引再開)。

本土市場は3日ぶりに急反発。主要指標の上海総合指数は、前日比3.10%高の2939.21ポイントで取引を終えた。金融株が上げを主導する。ハイテク株、費関連株、不動産株、自動車株、運輸株など全業種が上昇した。

【亜州IR】






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情報提供元: FISCO
記事名:「 10日の香港市場概況:ハンセン0.8%高で3日ぶり反発、舜宇光学5.3%上昇