11日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比280.11ポイント(0.93%)安の29839.45ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も145.96ポイント(1.24%)安の11618.04ポイントとそろって続落した。売買代金は1197億7300万香港ドルと高水準が続いている(10日は1126億1600万香港ドル)。

本土株安が逆風。上海総合指数が下げ幅を広げるなか、香港でも中盤以降、売りの勢いが増した。中国の経済指標を見極めたいとするスタンスも漂っている。あす以降、3月の重要経済統計(12日に貿易統計、15日までに金融統計、17日に鉱工業生産や小売売上高など)や、第1四半期GDP成長率(17日)が相次ぎ公表される予定だ。なお、朝方発表された今年3月の中国物価統計では、消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)の伸びが予想通り前月から加速している。

ハンセン指数の構成銘柄では、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が3.9%安、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が3.6%安、生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が2.8%安、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が2.7%安と下げが目立っている。舜宇光学科技は3月のスマホ用レンズ出荷が急加速したことを手がかりに、朝方は1.8%高と上昇する場面がみられたものの、程なく下落に転じた。

業種別では、金融が安い。上記した中国人寿保険のほか、中国人民保険集団(人保集団:1339/HK)が3.3%、中国太平洋保険集団(2601/HK)が3.2%、海通証券(6837/HK)が3.0%、広発証券(1776/HK)が2.9%、中国農業銀行(1288/HK)と招商銀行(3968/HK)がそろって1.9%ずつ下落した。

不動産セクターもさえない。万科企業(2202/HK)がが3.6%安、中国金茂HD(817/HK)が3.5%安、中国恒大集団(3333/HK)が2.5%安、雅居楽集団HD(3383/HK)が1.5%安とそろって続落した。

空運・海運セクターも軒並み安。中国南方航空(1055/HK)が4.7%、中国国際航空(753/HK)が3.8%、中国東方航空(670/HK)が3.1%、中遠海運能源運輸(1138/HK)が3.3%、太平洋航運集団(2343/HK)が3.0%ずつ値を下げた。

半面、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)は0.7%高と続伸。約9カ月ぶりの高値水準を回復した。中国の国家新聞出版広電総局は10日、国産オンラインゲームの配信許可審査の結果を発表。認可リストに、テンセントのバトルロワイアル系タイトルなどを含んだ。

一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.86%安の3189.96ポイントで取引を終えた。消費関連株が安い。金融株、医薬品株、素材株、不動産株、ハイテク株、運輸株、インフラ関連株なども下げた。半面、自動車株の一角は急伸している。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 11日の香港市場概況:ハンセン0.9%安で続落、テンセント逆行高