9日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比80.34ポイント(0.27%)高の30157.49ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も21.35ポイント(0.18%)高の11815.00ポイントとそろって続伸した。ハンセン指数は約10カ月ぶりの高値水準を切り上げている。売買代金は1141億8800万香港ドルと高水準が続いた(8日は1215億1400万香港ドル)。

中国景気の過度な鈍化懸念が後退する流れ。減税・手数料軽減策など、当局の景気テコ入れ策に対する期待感が持続した。企業業績の改善観測も強まっている。

ハンセン指数の構成銘柄では、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(2007/HK)が5.7%高、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が5.3%高、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)とバイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)がそろって3.4%高と上げが目立った。

業種別では、中国の自動車が高い。華晨中国汽車HD(1114/HK)が2.0%、長城汽車(2333/HK)が1.6%、比亜迪(BYD:1211/HK)が1.3%、広州汽車集団(2238/HK)が1.2%、東風汽車集団(489/HK)が1.0%、吉利汽車HD(175/HK)が0.9%ずつ上昇した。メーカー各社が公表した3月の月次統計では、東風汽車集団が10カ月ぶり、吉利汽車が2カ月ぶりにそれぞれプラス成長を回復。長城汽車は6カ月連続でプラス成長を達成し、BYDは増加率が加速した。

5G関連銘柄も物色される。通信設備の京信通信系統HD(2342/HK)が14.3%高、中興通訊(ZTE:763/HK)が5.3%高、通信インフラ工事の中国通信服務(552/HK)が6.1%高、基地局運営の中国鉄塔(788/HK)が7.9%高と値を上げた。中国鉄塔は連日で上場来高値を更新している。5G通信を巡っては、韓国と米国の企業が商用サービスを相次ぎスタート。中国でも早期に始まると意識された。中国の関係部局は先ごろ、2020年の商用化を目指すと表明している。早ければ5月にも、臨時ライセンスが公布されるとの見方も広がった。

他の個別株動向では、不動産デベロッパーの合生創展集団(754/HK)が7.8%上昇。同社は8日引け後、1~3月期の不動産成約額が前年同期比で141.8%増加したと発表した。

半面、本土系金融セクターはさえない。華泰証券(6886/HK)が2.0%安、海通証券(6837/HK)が1.8%安、招商銀行(3968/HK)が1.9%安、中国工商銀行(1398/HK)が0.8%安、中国人民財産保険(PICC:2328/HK)が1.2%安、中国人寿保険(2628/HK)が0.9%安で引けた。

本土市場は小幅続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.16%安の3239.66ポイントで取引を終えた。素材株が安い。金融株、空運株、食品・飲料株の一角も売られている。半面、不動産株は高い。医薬品株、ハイテク株、自動車株、海運株、メディア関連株なども買われた。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 9日の香港市場概況:ハンセン0.3%高で続伸、不動産の碧桂園5.7%上昇