3日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比361.72ポイント(1.22%)高の29986.39ポイントと7日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が158.50ポイント(1.37%)高の11705.16ポイントと反発した。ハンセン指数は昨年6月以来の高値水準を切り上げている。約売買代金は1225億9500万香港ドルと高水準が続いた(2日は1079億5600万香港ドル)。

米中通商交渉の合意期待が強まる流れ。外電は3日午前、「通商交渉合意に向けた大半の問題が米中間で解消された」と複数関係者の話を引用して伝えた。両国の政府は3月28~29日、閣僚級の通商協議を北京で開催。4月3日にはワシントンに場所を移し、協議を継続する。

ハンセン指数の構成銘柄では、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)と民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)がそろって3.4%高、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が3.3%高と上げが目立った。テンセントに関しては、ゲーム販売認可が支援材料。中国の国家新聞出版広電総局は2日、輸入オンラインゲームの配信許可審査の結果を発表した。販売認可リストのなかには、テンセントが独占販売権を持つ注目タイトルが含まれている。同社株は約9カ月ぶりの高値水準を回復した。

業種別では、自動車が高い。上記した吉利汽車のほか、北京汽車(1958/HK)が9.5%、長城汽車(2333/HK)が4.0%、華晨中国汽車HD(1114/HK)が2.5%、比亜迪(BYD:1211/HK)が2.1%ずつ上昇した。

証券セクターも急伸。華泰証券(6886/HK)が4.6%高、中信証券(6030/HK)が3.6%高、中国銀河証券(6881/HK)が3.3%高、海通証券(6837/HK)が3.2%高、広発証券(1776/HK)が3.1%高と値を上げている。本土市場の売買代金増勢、上海「科創板」の期待感が追い風だ。

海運や空運など運輸セクターも物色される。中遠海運HD(1919/HK)が14.9%高、中遠海運発展(2866/HK)が8.6%高、中遠海運能源運輸(1138/HK)が6.3%高、中国東方航空(670/HK)が4.2%高、中国国際航空(753/HK)が3.2%高、中国南方航空(1055/HK)が2.9%高で引けた。海運株に関しては、コンテナ輸送世界最大手クラスのマースク・ラインが「主力の欧州路線で貨物量が自社処理能力を超過したため、4月15日付で1TEUあたり500米ドルの値上げを実施する」と発表したことが手がかり。運賃引き上げが他社に広がると連想された。

本土市場は4日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.24%高の3216.30ポイントで取引を終えた。海運・港湾株が急伸。空運株、自動車株、消費関連株、不動産株、金融株、ハイテク株、インフラ関連株、資源・素材株など幅広く値上がりした。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 3日の香港市場概況:ハンセン1.2%高で7日続伸、テンセント3.3%上昇