29日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比276.15ポイント(0.96%)高の29051.36ポイントと4日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が84.81ポイント(0.75%)高の11379.62ポイントと反発した。売買代金は1222億4500万香港ドルに拡大している(28日は921億6500万香港ドル)。

内外の株高で買い安心感が広がる流れ。昨夜の米株市場では、米金利の下げ止まりを受けて銀行株が上昇し、NYダウが反発した。この日の本土株市場では、中国景気の先行き不安が薄らぐなかで上海総合指数が急反発。上げ幅を徐々に拡大するなか、香港の各指数も中盤から上昇ピッチが速まった。李克強首相は28日、国際的な経済会議の「博鰲(ボアオ)アジアフォーラム」で演説。「今年に入り、中国経済は安定的に推移している。3月は電力消費が2ケタ増となるなど改善が顕著だ」と国内経済に自信を示した。米中貿易問題を巡る不透明感もやや後退。両国の閣僚級協議は28日に北京で再開された(29日まで)。「中国はクラウドなどIT分野で歩み寄りを示している」と伝わり、協議の進展が意識されている。

ハンセン指数の構成銘柄では、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)が4.6%高、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が4.5%高、生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が3.7%高と上げが目立った。華潤置地は今週26日に増益決算を発表。買いが継続し、この日は今月18日に付けた上場来高値を更新した。蒙牛乳業は28日に続き、好決算を手がかりに買われている。中国生物製薬は本日中に業績報告する予定。同社は20日、大幅増益の見通しを示している。

業種別では、保険や証券の金融が高い。上記した中国人寿保険のほか、新華人寿保険(1336/HK)が3.2%、中国平安保険(2318/HK)が2.5%、中信証券(6030/HK)が5.2%、華泰証券(6886/HK)が5.1%、海通証券(6837/HK)が4.1%ずつ上昇した。

空運セクターも急伸。中国国際航空(753/HK)が8.4%高、中国南方航空(1055/HK)が5.7%高、中国東方航空(670/HK)が4.5%高で引けた。中国国際航空は28日朝、市場予想を上回る決算内容を報告。ブローカー各社は目標株価を相次ぎ引き上げた。

そのほか、28日引け後から29日にかけて増益決算を明らかにした銘柄では、上海実業HD(上海インダストリアル:363/HK)が6.3%高、中国忠旺HD(CZホールディングス:1333/HK)が5.7%高、招商局港口HD(144/HK)と中国神威薬業集団(2877/HK)がそろって1.7%高などと値上がりした。

本土市場は急反発。主要指標の上海総合指数は、前日比3.20%高の3090.76ポイントで取引を終えた。証券・保険株が急伸。空運株、消費関連株、自動車株、不動産株、インフラ関連株、ハイテク株、医薬品株なども買われた。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 29日の香港市場概況:ハンセン1.0%高で4日続伸、華潤置地が最高値更新