27日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比161.34ポイント(0.56%)高の28728.25ポイントと続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が73.63ポイント(0.66%)高の11305.36ポイントと6日ぶりに反発した。売買代金は933億300万香港ドルとなっている(26日は883億4500万香港ドル)。

外部環境の改善で買い安心感が広がる流れ。主要産油国の協調減産が延長される——との観測を受けて、昨夜のWTI原油先物は1.9%高と3日ぶりに反発した(27日の時間外取引でも続伸している)。米金利を巡っては、景気後退の予兆とされる「逆イールド(長短金利の逆転)」は続いているものの、その金利差はやや縮小している。また、香港で主要企業の決算報告が終盤に入るなか、業績動向を手がかりとした物色も活発化した。

ハンセン指数の構成銘柄では、石油生産大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が3.9%高、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)とマカオ・カジノの金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)がそろって2.9%高、紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)が2.4%高と上げが目立った。華潤置地は昨日昼、23%増益を発表。好感する買いが続いた。

業種別では、不動産が高い。上記した華潤置地のほか、世茂房地産HD(813/HK)が8.4%、雅居楽集団HD(3383/HK)が5.1%、万科企業(2202/HK)が3.6%、中国金茂HD(817/HK)が2.5%、中国海外発展(688/HK)が1.4%ずつ上昇した。世茂房地産は26日引け後、13%増益の決算を公表している。

そのほか増益決算を明らかにした銘柄では、中国龍工HD(3339/HK)が7.8%高、中国聯塑集団HD(2128/HK)が7.3%高、株洲中車時代電気(3898/HK)が6.8%高などと買い進まれた。

半面、自動車セクターの一角はさえない。比亜迪(BYD:1211/HK)が2.4%安、華晨中国汽車HD(1114/HK)が1.1%安で引けた。華晨中国汽車に関しては、同社の業績が3割増益だったものの、予想に届かなかったことが失望されている。

一方、本土マーケットは3日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.85%高の3022.72ポイントで取引を終えた。金融や消費の大型株が相場をけん引。空運株、医薬品株、エネルギー株、不動産株、素材株なども買われた。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 27日の香港市場概況:ハンセン0.6%高で続伸、原油高で海洋石油3.9%上昇