12日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比417.57ポイント(1.46%)高の28920.87ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が189.23ポイント(1.68%)高の11466.14ポイントとそろって続伸した。売買代金は1090億6500万香港ドルとなっている(11日は1027億8900万香港ドル)。

外部環境が改善が意識される流れ。米景気の鈍化懸念が和らぐなか、昨夜のNYダウが6日ぶりに反発したことを好感している。1月の米小売売上高が上振れしたほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は「利上げを急がない」というスタンスを示した。米中通商協議の進展も追い風。商務部は12日、「劉鶴副・首相は12日朝方に、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表やムニューシン米財務長官と電話で協議した」と発表した。また、中国では年一度の全国人民代表大会(全人代、15日に閉幕)が開催中とあって、当局が打ち出す景気テコ入れ策に対する期待感も続いている。会期中、各種の政策方針が明らかにされる見通しだ。

ハンセン指数の構成銘柄はほぼ全面高(50のうち49が上昇)。ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が6.5%高、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(2007/HK)が4.3%高、通信キャリア大手の中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)が3.7%高と値上がり率上位に並んだ。万洲国際については、中国で豚肉価格が上昇していることを材料視。指数銘柄以外でも、食肉・ハム加工大手の中国雨潤食品集団(1068/HK)が11.4%高と大幅続伸した。なお、中国聯通は13日に18年通期決算を報告する。

業種別では、証券が高い。国泰君安国際HD(1788/HK)が3.7%、申万宏源(218/HK)が3.6%、海通国際証券HD(665/HK)が3.2%、第一上海投資(227/HK)が3.1%ずつ上昇した。海外マネーの流入で市場が活性化するとの思惑が強まっている。「深セン上場の大族激光(002008/SZ)が外資持ち株比率の上限(30%)に達するなか、証券当局は外国人投資枠の引き上げ検討に着手した」などと伝えられた。A株市場を巡っては、指数算出の米MSCIが2月28日、グローバル株価指数のA株組み入れ比率を3段階に分けて5→20%に引き上げると発表している。

ゼネコンやエンジニアリング、建機などインフラ関連セクターもしっかり。中国建築国際集団(3311/HK)が4.6%高、中国中鉄(390/HK)が3.4%高、中国鉄建(1186/HK)が2.0%高、中国冶金科工(1618/HK)が3.5%高、中国龍工HD(3339/HK)が2.8%高で引けた。

本土市場も続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.10%高の3060.31ポイントで取引を終えた。ハイテク株が急伸。不動産株、運輸株、インフラ関連株、消費関連株、自動車株、資源・素材株、医薬品株、金融株の一角も買い進まれた。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 12日の香港市場概況:ハンセン1.5%高で続伸、豚肉高で万洲国際6.5%上昇