21日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比115.87ポイント(0.41%)高の28629.92ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が76.55ポイント(0.68%)高の11305.98ポイントとそろって続伸した。ハンセンは約7カ月ぶりの高値水準を回復している。売買代金は1149億8700万香港ドルと高水準が続いた(20日は1086億4500万香港ドル)。

米株高を受けて買い安心感が広がる流れ。米中貿易交渉の進展期待に加え、米金融政策の正常化ペースが鈍化するとの見方が強まるなか、昨夜のNYダウは3日続伸し、約3カ月ぶりの高値で引けた(ナスダック指数は8日続伸)。米中通商交渉はワシントンで19日に次官級協議が再開。21日には閣僚級に格上げしたハイレベルな協議が始まる。両政府は協議の内容を「覚書」としてまとめるほか、両国首脳の会談についても調整する予定だ。覚書について外電は20日、「技術移転や知的財産権、為替など主要な6つの構造問題で準備している」と関係筋情報として報じている。

ハンセン指数の構成銘柄では、マカオ・カジノの金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が4.9%高、同業の銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が4.1%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が4.7%高、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が2.8%高と上げが目立った。カジノ株に関しては、広東・香港・マカオの経済連携などを強化するベイエリア構想「粤港澳大湾区」が引き続き材料視されている。

業種別では、空運・紙パルプが高い。中国国際航空(753/HK)が7.7%、中国南方航空(1055/HK)が6.7%、中国東方航空(670/HK)が4.0%、恒安国際集団(1044/HK)が1.7%、理文造紙(2314/HK)が1.2%ずつ上昇した。

自動車セクターもしっかり。広州汽車集団(2238/HK)が4.2%高、吉利汽車HD(175/HK)と東風汽車集団(489/HK)がそろって2.4%高、華晨中国汽車HD(1114/HK)が2.1%高、北京汽車(1958/HK)が1.3%高と値を上げた。

第5世代(5G)ネットワーク関連銘柄も物色される。通信設備の中興通訊(ZTE:763/HK)が6.0%高、基地局運営の中国鉄塔(788/HK)が2.1%高、光ファイバー・ケーブルの長飛光繊光纜(6869/HK)が1.8%高と値を上げた。中国鉄塔は連日で上場来高値を更新している。

他の個別株動向では、パソコン(PC)世界大手の聯想集団(レノボ・グループ:992/HK)が11.9%高と急伸。18年10~12月期業績の黒字転換が好感された。

一方、本土市場は4日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.34%安の2751.80ポイントで取引を終えた。不動産株が安い。資源・素材株、インフラ関連株、医薬株、保険株、消費関連株の一角なども売られた。半面、ハイテク株、空運株、発電株、自動車株、証券株などか値上がりしている。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 21日の香港市場概況:ハンセン0.4%高で続伸、マカオ・カジノ株に買い