20日の中国本土市場は値上がり。主要指標の上海総合指数は、前日比5.57ポイント(0.20%)高の2761.22ポイントと3日続伸した。約5カ月ぶりの高値水準に達している。上海A株指数も上昇し、5.85ポイント(0.20%)高の2891.70ポイントで取引を終えた。

米中貿易協議の進展が相場を支える流れ。交渉決裂の警戒感がやや後退している。ワシントンで開催中の米中通商交渉に関しては、トランプ米大統領は19日、「協議は複雑だが極めてうまく運んでいる」とした上で、関税引き上げ期限(3月1日)の延長を再び示唆した。人民元安の懸念も薄らぐ。米中協議では、「人民元相場安定の保証を合意の枠組みに組み入れる方向で両国は一致した」と一部で報じられた。中国人民銀行は朝方、人民元の対米ドル基準値を2日続けて元高方向に設定。外国為替市場では元高が急速に進んでいる。

業種別では、元高メリットのある空運・紙パルプが高い。中国国際航空(601111/SH)が4.4%、牡丹江恒豊紙業(600356/SH)が6.5%ずつ上昇した。不動産株も上げが目立つ。保利地産(600048/SH)が2.7%高と反発している。保険株、自動車株、消費関連株の一角も値上がりした。

農業関連株も物色される。トウモロコシ加工の万向徳農(600371/SH)がストップ高、農業生産会社の新彊賽里木現代農業(600540/SH)が3.8%高、種苗メーカの農発種業(600313/SH)が1.1%高で引けた。政策支援の期待が強まる。国務院は19日、中央政府が策定した当該年の最も重要な政策課題を掲げる文書「中央1号文件」を発表。「三農(農業、農村、農民)」問題を解決すべき最優先課題とする政策を04年以来、16年連続で打ち出した。

半面、医薬品株とハイテク株はさえない。業界大手江蘇恒瑞医薬(600276/SH)が1.5%安、インターネット・セキュリティーの三六零安全科技(601360/SH)が%安と値を下げた。医薬品に関しては、「薬価制度改革の一環として導入された医薬品『集中調達』について、第2陣の入札が近く実施されるもよう」と伝わったことが嫌気されている。

一方、外貨建てB株の相場はしっかり。深センB株指数が0.25ポイント(0.03%)高の938.12ポイントで終了した。上海B株指数は前日と同じ286.33ポイントとなっている。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 20日の中国本土市場概況:上海総合0.2%高で3日続伸、政策期待で農業関連しっかり