31日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比299.62ポイント(1.08%)高の27942.47ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が138.60ポイント(1.27%)高の11035.73ポイントとそろって続伸した。ハンセン指数は約4カ月ぶりの高値水準を回復。売買代金は1131億5400万香港ドルに拡大した(30日は947億6300万香港ドル)。

米金融引き締めペースの鈍化が期待される流れ。米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場の予想通り政策金利の据え置きが決まった。その後の声明でも、「緩やかな利上げ」の文言を削除し、先行きの利上げに慎重スタンスが示されている。中国景気に対する過度な不安も後退。取引前に発表された今年1月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計・公表)は49.5となり、2カ月連続で節目の50を下回ったものの、前月実績(49.4)と市場予想(49.3)を上回った。また、同月の非製造業PMIは54.7という結果。前月の53.8から0.9ポイント上昇した。

ハンセン指数の構成銘柄では、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が5.7%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が4.7%高、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が4.6%高と上げが目立った。

業種別では、中国の金融が高い。新華人寿保険(1336/HK)が9.4%、中国太平洋保険集団(2601/HK)が3.2%、中国平安保険(2318/HK)が2.6%、招商銀行(3968/HK)が3.6%、華泰証券(HTSC:6886/HK)が3.4%ずつ上昇した。新華人寿保険は2018年通期業績に関し、純利益が前年比で5割増加するとの見通しを報告している。

非鉄やセメントなど景気動向に敏感な素材セクターも高い。洛陽モリブデン集団(3993/HK)が6.4%高、江西銅業(358/HK)が4.6%高、中国アルミ(2600/HK)が3.2%高、中国建材(3323/HK)が3.8%高、安徽海螺水泥(914/HK)が2.9%高と値を上げた。洛陽モリブデンと江西銅業は、18年通期業績の大幅増益をそれぞれ予告している。

太陽光発電の関連銘柄も急伸。保利協シン能源HD(GCLポリー・エナジー:3800/HK)が10.7%高、カ姆丹克太陽能系統集団(712/HK)が11.1%高、陽光能源HD(757/HK)が3.4%高とそろって大幅続伸した。業績改善の期待が強まっている。国内で太陽光パネルの価格が底入れし、上昇に転じていることが改めて材料視された。

本土市場は4日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.35%高の2584.57ポイントで取引を終えた。金融株が相場をけん引。消費関連株の一角も買われた。半面、医薬品株とハイテク株は安い。インフラ関連株、運輸株、不動産株、自動車株なども売られた。
【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 31日の香港市場概況:ハンセン1.1%高で続伸、中国金融セクター上げ目立つ