25日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比448.21ポイント(1.65%)高の27569.19ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が182.67ポイント(1.71%)高の10873.67ポイントとそろって3日続伸した。ハンセンは約4か月ぶりの高値水準を回復している。半日の売買代金は1064億200万香港ドルに拡大した(24日は801億7200万香港ドル)。

中国の景気刺激策に対する期待感が持続する流れ。国内経済の鈍化懸念がくすぶるなか、当局は景気テコ入れ策を相次いで打ち出している。直近では、中国銀行保険監督管理委員会が24日、各商業銀行の永久債に保険会社が投資することを認めると発表した。中国人民銀行(中央銀行)も同日、「中央銀行手形スワップ(CBS)」と呼ぶ永久債と中央銀行手形の交換を可能にするツールを新たに創設すると公表している。永久債の流動性を高め、銀行の「資本増強」と「与信拡大」を支援する狙い。

ハンセン指数の構成銘柄では、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(2007/HK)が5.5%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が5.0%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が4.9%高、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が4.6%高と上げが目立った。このほか、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が4.1%高と4日ぶりに反発。中国の国家新聞出版広電総局は24日、オンラインゲーム配信許可審査の結果を報告し、今月13日付でテンセントの2作品を含む計95タイトルを認可した。

業種別では、中国の金融が高い。中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が4.1%、中国太平洋保険集団(2601/HK)が2.4%、海通証券(6837/HK)が3.3%、華泰証券(HTSC:6886/HK)が2.3%、中国農業銀行(1288/HK)が2.8%、中国銀行(3988/HK)が2.6%ずつ上昇した。

中国不動産セクターもしっかり。上記した碧桂園のほか、万科企業(2202/HK)が5.5%高、中国恒大集団(3333/HK)が4.6%高、中国海外発展(688/HK)が2.7%高、保利置業集団(119/HK)が2.3%高と値を上げた。

設備・工事、基地局などの通信関連や半導体の銘柄群も物色される。京信通信系統HD(2342/HK)が2.2%高、中国鉄塔(788/HK)が3.0%高、ASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が8.2%高と買われた。需要増の思惑が高まっている。北京市が発表した5G(第5世代移動通信)産業の支援策について、同様の政策が他エリアに広がるとみられた。京信通信系統は約3年8カ月ぶりの高値水準を切り上げ、中国鉄塔は上場来高値を更新している。

本土市場も3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.39%高の2601.72ポイントで取引を終えた。金融株が相場をけん引。大型優良株が買い進まれるなか、上海市場の代表銘柄で構成される「上海50A株指数」は、1.3%高と他の主要株価指標をアウトパフォームした。不動産株、消費関連株、自動車株、インフラ関連株、資源・素材株、空運株なども値上がりしている。


【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 25日の香港市場概況:ハンセン1.7%高で3日続伸、碧桂園5.5%上昇