8日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比39.75ポイント(0.15%)高の25875.45ポイントと3日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が9.89ポイント(0.10%)高の10133.74ポイントと4日続伸した。売買代金は744億7900万香港ドルとなっている(7日は774億7600万香港ドル)。

米中通商協議を巡って楽観が優勢となる流れ。米中両国による次官級の貿易協議は7日、北京で開始された。ロス米商務長官は同日、「中国と米国、双方が受け入れられる合理的な解決策が得られる可能性は高い」と発言している。また、「協議には、中国で貿易問題を担当する劉鶴副首相が参加した」と一部で報じられた。ただ、上値は重い。直近の上昇が急ピッチだったこともあり、戻り待ちの売り圧力も意識されている。

ハンセン指数の構成銘柄では、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が4.0%高、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が3.6%高、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が3.5%高と上げが目立つ。万洲国際と申洲国際は米国での売り上げが多く、瑞声科技は米アップルのサプライヤーとして知られる。

業種別では、海運・港湾がしっかり。中遠海運HD(1919/HK)が1.3%高、中遠海運発展(2866/HK)が1.2%高、中遠海運港口(1199/HK)が1.9%高、招商局港口HD(144/HK)が1.8%高で引けた。

5世代(5G)ネットワーク関連銘柄は連日で物色される。通信設備の京信通信系統HD(2342/HK)が5.3%高、中興通訊(ZTE:763/HK)が2.6%高、通信インフラ工事の中国通信服務(552/HK)が6.2%高、基地局運営の中国鉄塔(788/HK)が6.2%高、光ファイバー・ケーブルメーカーの長飛光繊光纜(6869/HK)が2.6%高で引けた。5Gの商用化を目前に控え、通信インフラ投資の拡大が意識されている。中国鉄塔は2018年12月24日につけた上場来高値を切り上げた。

半面、本土系不動産セクターは安い。中国恒大集団(3333/HK)が3.1%、碧桂園HD(2007/HK)が2.1%、深センHD(604/HK)が2.0%、保利置業集団(119/HK)と華潤置地(1109/HK)がそろって1.2%ずつ下落した。

他の個別株動向では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が11.3%安と急落。2018年新車販売の目標未達、19年販売目標の前年並み設定が嫌気された。

本土市場は3日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.26%安の2526.46ポイントで取引を終えた。大型金融株が下げを主導する。不動産株、消費関連株、ハイテク株、インフラ関連株なども売られた。半面、港湾・海運株、医薬品株、公益株は上昇している。
【亜州IR】



<FA>

情報提供元: FISCO
記事名:「 8日の香港市場概況:ハンセン0.2%高で3日続伸、米中貿易協議に期待感