12月28日の香港市場は小幅に値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比25.32ポイント(0.10%)高の25504.20ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が1.16ポイント(0.01%)高の9992.22ポイントとそろって3日ぶりに反発した。売買代金は469億5900万香港ドルと低水準が続く(27日は561億9700万香港ドル)。半日立ち合いを除き、今年最低を記録した。

自律反発狙いの買いが先行する流れ。ハンセン指数は27日までの下落で約2カ月ぶりの安値水準を切り下げただけに、値ごろ感が着目された。ただ、上値は限定的。新規の買い材料に乏しいなか、中国景気の先行きや米中関係の悪化などが懸念されている。また、年末休場を前に様子見ムードも漂った。香港市場は週明け31日が年内最終商いで半日立ち合い。翌1月1日が休場となる。本土市場は一足早く、28日が年内の最終売買だった。

ハンセン指数の構成銘柄では、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が4.7%高、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が3.3%高、香港系不動産の恒隆地産(101/HK)が2.0%高と上げが目立った。

業種別では、中国の医薬がしっかり。上記した石薬集団のほか、広州白雲山医薬集団(874/HK)が4.6%高、薬明生物技術(2269/HK)が3.8%高、中国生物製薬(1177/HK)が1.8%高とそろって反発した。

中国の自動車セクターも高い。長城汽車(2333/HK)と広州汽車集団(2238/HK)がそろって2.0%、吉利汽車HD(175/HK)が1.9%、東風汽車集団(489/HK)が1.8%ずつ値を上げた。

ハイテク関連セクターも物色される。ICファウンドリーの華虹半導体(ファホンセミコンダクター:1347/HK)が3.5%高、同業の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.6%高、ICパッケージング・テスティング機器最大手のASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が1.4%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が1.6%高、通信設備の中興通訊(ZTE:763/HK)が1.1%高と上昇した。

半面、他の個別株動向では、国有石油大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)が5.1%安と大幅続落した。「子会社の中国国際石油化工聯合公司が巨額損失を出した」との報道がネガティブ。中国石油化工は27日引け後、問題の損失は原油相場の下落によるもので、具体的な損失額に関しては、「現在精査中」と説明している。また、同子会社の役員2人が業務上の理由で停職された事実も認めた。ただ、「業務上の理由」とし、引責問題には言及していない。

一方、本土市場は4日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.44%高の2493.90ポイントで取引を終えた。消費関連株が高い。金融株、インフラ関連株、不動産株、発電株、医薬株、素材株なども買われた。半面、エネルギー株は売られている。この日は年内の最終売買日(取引再開は2019年1月2日)。年間の騰落では、上海総合指数が前年比24.59%の大幅下落となっている(17年は6.56%上昇)。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 28日の香港市場概況:ハンセン0.1%高で3日ぶり反発、石薬集団が4.7%上昇