28日の中国本土市場は値上がり。主要指標の上海総合指数は、前日比10.81ポイント(0.44%)高の2493.90ポイントと4日ぶりに反発した。上海A株指数も上昇し、11.33ポイント(0.44%)高の2611.38ポイントで取引を終えている。2018年の最終売買日(取引再開は来年1月2日)を迎えた。年間の騰落では、上海総合指数が前年比24.59%の大幅下落となっている(2017年は6.56%上昇)。

自律反発狙いの買いで上昇する流れ。上海総合指数が足元で急ピッチに下落し、約4年1カ月ぶりの安値水準に沈むなか、値ごろ感が着目された。ただ、本土市場は連休入りすることもあり、積極的に買い進む動きはみられない。中国景気の先行き不安や、米中関係の悪化懸念なども引き続き相場の足かせとなった。

業種別では、消費関連の上げが目立つ。白酒メーカー最大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)が4.8%高、乳製品グループ大手の内蒙古伊利実業集団(600887/SH)が3.1%高、小売大手の重慶百貨大楼(600729/SH)が2.7%高で引けた。貴州茅台酒は今年前半、業績好調を手がかりに連日で上場来高値を更新していたが、後半に失速。白酒に対する需要減少の懸念が浮上し、年間では14.2%の値下がりに沈んだ。

第5世代(5G)ネットワークの関連銘柄も物色される。通信機器メーカーの東方通信(600776/SH)が連日でストップ高、光ケーブル生産の烽火通信科技(600498/SH)が1.4%高。東方通信は年間で60.1%上昇した。翌年の経済政策方針を決める重要会議「中央経済工作会議」で5G商用化を急ぐ方針が示されるなか、「2019年は『5G元年』になる」との見方が強まっている。このほか、金融株が軒並み高。インフラ関連株、不動産株、発電株、医薬株、素材株なども買われた。

半面、エネルギー株はさえない。なかでも、時価総額上位の中国石油化工(600028/SH)は3.8%安と続落した。「子会社の中国国際石油化工聯合公司が多額の損失を出した」との報道がネガティブ。中国石油化工は昨日引け後、問題の損失は原油相場の下落によるものと説明した。具体的な損失額に関しては、「現在精査中」と補足している。

一方、外貨建てB株の相場は値上がり。上海B株指数が0.82ポイント(0.30%)高の271.05ポイント、深センB株指数が2.51ポイント(0.30%)高の837.18ポイントで終了した。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 28日の中国本土市場概況:上海総合0.4%高で4日ぶり反発、年間では24.6%下落