19日の香港市場はまちまち。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比51.14ポイント(0.20%)高の25865.39ポイントと4日ぶりに反発する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は34.93ポイント(0.34%)安の10195.59ポイントと4日続落した。売買代金は571億香港ドルと低水準が続く(18日は679億9200万香港ドル)。今月17日につけた今年最低(554億1800万香港ドル)に迫った。

自律反発狙いの買いがやや優勢となる流れ。指数が前日まで3日続落するなか、値ごろ感が着目された。もっとも、全体としては方向感を欠く展開。米中の政策動向を見極めたいとするスタンスが強まり、様子見ムードが漂っている。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果は20日(日本時間)に発表される予定。中国で翌年の経済政策目標を決める「中央経済工作会議」は、21日まで開催される見通しだ。過去の例では、国営メディアが最終日の午後より、会議の内容を徐々に公表する。

ハンセン指数の構成銘柄では、不動産デベロッパー香港大手の長江実業集団(1113/HK)が2.4%高、マカオ・カジノの金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が1.8%高、生命保険業務アジア大手のAIAグループ(1299/HK)が1.7%高と上げが目立った。

業種別では、マカオ・カジノ関連が高い。上記した金沙中国のほか、美高梅中国(MGMチャイナ・ホールディングス:2282/HK)が1.8%、銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)と澳門博彩HD(SJMホールディングス:880/HK)がそろって1.7%ずつ上昇した。足元の域内カジノ収入が好調に推移していることを受け、複数のブローカーが12月のカジノ収入増を予測している。

中国の発電セクターもしっかり。華能国際電力(902/HK)が3.3%高、大唐国際発電(991/HK)が2.8%高、華電国際電力(1071/HK)が1.8%高、華潤電力HD(836/HK)が1.2%高、中国電力国際発展(2380/HK)が1.1%高で引けた。

半面、石油関連セクターは安い。業界大手3社の中国石油化工(サイノペック:386/HK)が4.7%、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が2.9%、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が2.3%、油田掘削の中海油田服務(2883/HK)が1.7%ずつ下落した。原油相場の続落が嫌気されている(WTI原油先物は6.6%安で終了。約1年4カ月ぶり安値)。

医薬品セクターもさえない。薬明生物技術(2269/HK)が5.1%安、石薬集団(1093/HK)が2.7%安、四環医薬HD集団(460/HK)が2.6%安、中国生物製薬(1177/HK)が2.4%安、康哲薬業HD(867/HK)が2.1%安と値を下げた。中央政府主導の「集中調達」制度が導入されたのに続き、全国版の「補助用薬」リストが近く発表されることを改めて売り材料視。薬価引き下げにより、業績が悪化すると不安視されている。

本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.05%安の2549.56ポイントで取引を終えた。石油・石炭株が下げを主導する。医薬品株、消費関連株、ハイテク株、インフラ関連株、金融株なども売られた。半面、発電株、交通インフラ関連株や自動車株の一角は物色されている。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 19日の香港市場概況:ハンセン0.2%高で4日ぶり反発、カジノ関連上げ目立つ