16日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比17.20ポイント(0.07%)高の25462.26ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が53.99ポイント(0.53%)高の10198.33ポイントとそろって反発した。売買代金は758億8300万香港ドルとなっている(15日の売買代金は808億8700万香港ドル)。

本土系企業の業績期待が広がった。主要企業の決算報告を前に、好調な業績見通しを発表する企業が相次いでいる。国有資産監督管理委員会は15日、中央企業の実現利益が第1~3四半期に前年同期比で21%増加したと公表した。また、グローベックスNYダウ先物の反発も、買い安心感を誘った。ただ、上値は重い。米中関係の悪化懸念がくすぶるなか、指数は安く推移する場面もみられた。

朝方発表された9月の中国物価統計は、消費者物価指数(CPI)が前年同月比で2.5%上昇(市場予想に一致)、生産者物価指数(PPI)が3.6%上昇(予想は3.5%)という結果だった。

業種別では、石炭や石油、天然ガスなどエネルギー関連が高い。中国中煤能源(1898/HK)が4.0%、エン州煤業(1171/HK)が1.6%、中国神華能源(1088/HK)が1.3%、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が2.3%、新奥燃気HD(新奥ガス:2688/HK)が2.4%ずつ上昇した。中国中煤能源に関しては、1~9月期の大幅増益見通しが材料視されている。

農業関連セクターもしっかり。窒素系肥料メーカーの中海石油化学(チャイナ・ブルーケミカル:3983/HK)が3.8%高、肥料販売で中国最大手の中化化肥HD(サイノフェルト:297/HK)が2.3%高、農機メーカー中国大手の第一トラクター(ファースト・トラクター:38/HK)が1.0%高で引けた。

他の個別株動向では、コンテナ生産で中国最大手の中国国際海運集装箱(中国国際コンテナ:2039/HK)が2.2%高と反発。1~9月期決算の増益見通しが手がかりとなった。

半面、中国空運セクターはさえない。中国東方航空(670/HK)が2.1%安、中国南方航空(1055/HK)が1.9%安、中国国際航空(753/HK)が1.7%安とそろって続落した。各社が月次統計を報告し、9月旅客数の伸びが前月比で鈍化したことなどを嫌気している。

本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.85%安の2546.33ポイントで取引を終えた。不動産株や空運株が安い。ハイテク株や医薬株、インフラ関連株なども売られた。一方、金融株やエネルギー株などは物色されている。

なお香港市場はあす(17日)、重陽節で休場(本土は通常取引)。翌18日に取引を再開する。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 16日の香港市場概況:ハンセン0.1%高で反発、エネルギー株に買い