9日の香港市場はまちまち。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比29.66ポイント(0.11%)安の26172.91ポイントと6日続落する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は27.33ポイント(0.26%)高の10420.62ポイントと4日ぶりに反発した。売買代金は853億6600万香港ドルにやや縮小している(8日の売買代金は965億8800万香港ドル)。

内外に漂う不安材料を嫌気。米金利の上昇や人民元安の進行、米中関係の悪化などが懸念された。「訪中したポンペオ米国務長官は、8日に中国の王毅・外交部部長らと非難の応酬をした」と伝えられた。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元レートの対米同基準値を1年5カ月ぶりの元安水準に設定。人民銀は7日、今年4回目となる一部銀行を対象とした預金準備率の引き下げに動いており(15日付で実施)、金融緩和の効果が元安につながるとの見方も流れている。もっとも、下値は限定的。政策期待が強まるなか、指数はプラス圏で推移する場面もみられた(本土株指数はプラスで終了)。国家発展改革委員会の幹部はインタビューに答え、「中小企業を支援し、経済のテコ入れを図るため、さらなる減税措置が必要だ」などとする認識を示している。

ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が5.2%安と急落し、約1年4カ月ぶりの安値水準に達した。今年9月の自動車販売が前年同月比14%増にとどまり、伸び率が8月の30%から鈍化したことを売り材料視。2016年4月以来の低い伸びとなっている。そのほか、紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)が3.2%安、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が1.7%安と下げが目立った。

半面、石油や石炭、天然ガスのエネルギー関連セクターはしっかり。中国神華能源(1088/HK)が2.2%高、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が2.1%高、新奥能源HD(ENNエナジー:2688/HK)が5.8%高、昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が4.0%高、中国燃気HD(中国ガス:384/HK)が2.8%高で引けた。

一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.17%高の2721.01ポイントで取引を終えた。エネルギー株が相場をけん引する。海運株、食品・飲料株、非鉄株、保険株なども物色されている。半面、空運株はさえない。不動産株、銀行株、ハイテク株、医薬株なども売られた。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 9日の香港市場概況:ハンセン0.1%安で6日続落、販売鈍化で吉利汽車が5.2%下落