7日の香港市場は小幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比1.35ポイント(0.01%)安の26973.47ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が19.04ポイント(0.18%)安の10559.54ポイントとそろって3日続落した。売買代金は1105億2700万香港ドルとなっている(6日の売買代金は1049億5900万香港ドル)。

米中貿易戦争の拡大が警戒される。中国の知的財産権侵害に対抗する制裁関税第3弾(中国製品2000億米ドル相当を対象に25%の追加関税を課す)に関し、トランプ米大統領は週内にも発動するとの姿勢を崩していない。中国側も相応の対抗措置を打ち出すと表明している。もっとも、下値は限定的。ハンセン指数は前日までの続落で約1年1カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいたとあって、値ごろ感が着目されている。指数はプラス圏で推移する場面もあった。

ハンセン指数の構成銘柄では、マカオ・カジノ株の下げが目立つ。銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が3.8%安、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が3.2%安で引けた。マカオ保健当局がデング熱に関連した警報を発するなか、カジノ客数の減少が懸念されている。時価総額上位の金融なども売られた。

業種別では、天然ガス関連がさえない。中国燃気HD(中国ガス:384/HK)が2.4%、昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が3.1%、港華燃気(タウンガス・チャイナ:1083/HK)が1.1%ずつ下落した。
半面、小売や食品・飲料など消費関連セクターは物色される。中国蒙牛乳業(2319/HK)が3.8%高、華潤ビールHD(291/HK)が2.5%高、聯華超市(980/HK)が2.1%高、中国旺旺HD(151/HK)が2.0%高と値を上げている。

他の個別株動向では、基地局運営会社の中国鉄塔(788/HK)が7.5%高と大幅続伸。インデックスファンドなどの買い需要が期待されている。指数算出会社のFTSEラッセルは6日、中国株投資のベンチマーク指数となる「FTSE中国50指数」について、四半期ごとに行う構成銘柄見直しの結果を発表。新規に中国鉄塔株を採用することを明らかにした。中国鉄塔は8月8日に新規上場。一昨日には上場来安値を付けていた。

本土市場は3日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.40%高の2702.30ポイントで取引を終えた。時価総額上位の金融株がしっかり。医薬関連や消費関連、ゼネコンや建機、建材などインフラ関連、石炭、空運、自動車、不動産なども買われている。半面、ハイテク関連は安い。海運、軍需関連、ガスや発電の公益なども売られた。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 7日の香港市場概況:本土株指数0.2%安で3日続落、米中貿易戦争の拡大を警戒