29日の香港市場はまちまち。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比64.82ポイント(0.23%)高の28416.44ポイントと3日続伸する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は14.53ポイント(0.13%)安の11083.06ポイントと3日ぶりに反落した。売買代金は801億3000万香港ドルに縮小している(28日の売買代金は905億3100万香港ドル)。

通貨安の一服で、資金流出の警戒感がやや薄れる流れ。今月下旬に入り、香港ドルの対米ドル相場は許容変動幅(7.75~7.85香港ドル)下限で推移することが多かったものの、この日は香港ドル高に動いている。為替動向を巡っては、香港金融管理局(HKMA、中央銀行に相当)が28日、8月に入り5度目となる香港ドル買いの為替介入を実施した。ただ、全体として上値は限定的。本土株安が重しとなった。

ハンセン指数の構成銘柄では、香港拠点の銘柄群が高い。不動産開発大手の恒隆地産(101/HK)が2.4%、インフラ投資会社の長江基建集団(長江インフラ:1038/HK)が2.0%、香港財閥系コングロマリットの長江和記実業(1/HK)が1.8%ずつ値を上げた。

業種別では、中国自動車セクターの一角がしっかり。広州汽車集団(2238/HK)が6.4%高、長城汽車(2333/HK)が2.0%高、東風汽車集団(489/HK)が1.0%高で引けた。

香港上場企業の決算報告が終盤に入るなか、大幅増益を達成した銘柄群も物色される。中国興業太陽能技術HD(750/HK)が3.8%高、江西銅業(358/HK)が2.3%高、中海石油化学(3983/HK)が2.2%高。このほか、下水処理大手の北控水務集団(371/HK)は後場から買われ、6.0%高と急伸している。昼に発表した決算は増益。配当の増額も予定された。同じく増益と配当増額を手がかりに、不動産デベロッパーの雅居楽集団HD(3383/HK)も3.6%上昇している。

一方、本土系銀行株の一角はさえない。中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が2.9%安、中国銀行(3988/HK)が0.6%安、中国建設銀行(939/HK)が0.3%安と下落した。

本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.31%安の2769.29ポイントで取引を終えた。インフラ関連株が安い。発電株、交通インフラ株、消費関連株、証券株なども売られた。半面、不動産株、ハイテク株の一角は値上がりしている。


【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 29日の香港市場概況:ハンセン0.2%高で3日続伸、香港銘柄に買い