週明け27日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比599.40ポイント(2.17%)高の28271.27ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が269.42ポイント(2.50%)高の11049.13ポイントとそろって3日ぶりに反発した。ハンセン指数が節目の28000ポイント台を回復するのは、終値ベースで8月10日以来となる。売買代金は956億9700万香港ドルに拡大した(24日の売買代金は769億2600万香港ドル)。

内外環境が改善。米利上げペースが緩やかになるとの見方が強まったことを好感し、先週末の米株市場ではハイテク株比率の大きいナスダック指数などが史上最高値を更新した。元安進行の警戒感も薄れる。中国人民銀行(中央銀行)は24日、人民元の下落抑制策を今年1月以来、7カ月ぶりに再開したことを明らかにした。上海外国為替市場では、24日夜に人民元相場が急伸し、この日も元高方向で推移している。

ハンセン指数の構成銘柄はほぼ全面高(50のうち49が上昇)。個別では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が7.0%高、光学部品OEMメーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が6.7%高、石油・化学大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)が5.1%高と値上がり率上位に並んだ。中国石油化工に関しては、18年6月期業績が5割増益に拡大し、市場予想を上回ったことが買い材料視されている。

紙・パルプ、空運セクターも高い。理文造紙(2314/HK)が4.1%、玖龍紙業(2689/HK)が3.2%、中国国際航空(753/HK)が2.9%、中国東方航空(670/HK)が2.6%ずつ上昇した。紙製品各社は原料を輸入し、空運各社は米ドル建て債務の比率が高いため、元安進行の懸念後退がプラス材料となっている。

上場企業の決算報告がピークを迎えるなか、業績動向を手がかりにした物色も続く。国内大手行の招商銀行(3968/HK)は、増益決算に加え不良債権比率が低下したことを材料に4.1%高で引けた。このほか、増益決算を公表した銘柄では、自動車メーカー中堅の華晨中国汽車HD(ブリリアンス・チャイナ:1114/HK)が14.7%高、同業の広州汽車集団(2238/HK)が6.8%高、産金大手の紫金鉱業集団(2899/HK)が6.7%高、鉄道車両最大手の中国中車(CRRC:1766/HK)が4.3%高などと上げが目立っている。

本土市場は3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.89%高の2780.90ポイントで取引を終えた。不動産株と空運株がしっかり。医薬株、消費関連株、自動車株、資源・素材株、インフラ関連株、ハイテク関連株、金融株など幅広く買われた。


【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 27日の香港市場概況:ハンセン2.2%高で3日ぶり反発、吉利汽車が7.0%上昇