14日の香港市場は、人民元安の進行と海外の株安が上値をおさえる展開か。外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.5%安と3日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.3%安と続落した。NYダウは約3週ぶりの安値を付けている。トルコ通貨が連日で急落するなか、投資家のリスク回避スタンスが強まった。トルコ当局は国内金融システムを防衛するための措置を講じたものの、一部アナリストからは不十分だと指摘されている。「トルコに拘束されている米国人牧師が近く解放される」とのうわさで買われる場面もみられたが、在トルコ米大使館がそのことを否定するなか、指数は再びマイナス圏に沈んだ。  中国国内の環境も不透明。13日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.3%安と3日ぶりに反落している(一時1.9%安)。人民元安の進行が嫌気された。中国人民銀行(中央銀行)は同日、対米ドルの人民元レートを3営業日連続で元安方向に設定。上海外国為替市場は元安が急速に進み、約1年3カ月ぶりの水準で推移した。もっとも、下値は限定的。政策期待のあるハイテク株や医薬関連株が急伸するなか、指数は下げ幅を縮小させている。

こうした環境の下、本日の香港市場は全体として上値の重い展開か。人民元安の進行や、海外の株安が引き続きマイナス材料だ。また、本日の取引時間中(日本時間11時ごろ)に、今年7月の経済指標がまとめて公表されることも気がかり材料(小売売上高や鉱工業生産、固定資産投資など)。ただ、想定以上の結果で着地した場合、本土系銘柄を中心に買い戻しが入る可能性もあろう。


【亜州IR】




<FA>

情報提供元: FISCO
記事名:「 14日の香港市場見通し:上値の重い展開か、人民元安の進行と海外の株安を嫌気