20日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比213.62ポイント(0.76%)高の28224.48ポイントと4日ぶり、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が159.40ポイント(1.51%)高の10682.64ポイントと6日ぶりにそれぞれ反発した。売買代金は1003億3700万香港ドルに拡大している(19日の売買代金は774億1900万香港ドル)。

本土株高が追い風。人民元安の一服を好感し、上海総合指数がプラスに転じる中、香港の各指数も徐々に買いが優勢となった。上海外国為替市場では朝方、人民元相場が約1年1カ月ぶりの元安水準に下落したものの、後場に入り前日終値の水準まで戻している。「過度の元安を望まない」として、当局が為替介入(元買い=米ドル売り)に動いたとの観測も流れた。また、中国は金融政策の舵を緩和方向に切った——との見方も市場で広がる。中国人民銀行や中国銀行保険監督管理委員会の関係者はこのところ、緩和的な政策への移行を示唆。新規貸出と債券投資を拡大するよう、人民銀が商業銀行に“窓口指導”したとも報じられた。

時価総額上位の本土系金融株が相場をけん引。中国工商銀行(1398/HK)が2.8%高、中国建設銀行(939/HK)が2.4%高、中国平安保険(2318/HK)が1.6%高で引けた。

空運セクターも高い。中国南方航空(1055/HK)が4.3%、中国東方航空(670/HK)が3.8%、中国国際航空(753/HK)が3.0%ずつ値を上げている。空運各社は米ドル建て債務の比率が高いため、直近の元安曲面では売りが目立っていた。

中国の発電セクターもしっかり。中国電力国際発展(2380/HK)が5.1%高、大唐国際発電(991/HK)が3.6%高、華潤電力HD(836/HK)が2.7%高、華能国際電力(902/HK)が2.6%高、華電国際電力(1071/HK)が2.2%高と上昇した。電力各社が直近で報告した月次統計では、発電量の伸びが堅調に推移している。

本土市場は6日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前日比2.05%高の2829.27ポイントで取引を終えた。金融株が高い。不動産株や空運株、発電株、エネルギー株、自動車株、医薬株、消費関連株なども買われた。


【亜州IR】



<FA>

情報提供元: FISCO
記事名:「 20日の香港市場概況:ハンセン0.8%高で4日ぶり反発、本土系銘柄に買い