26日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比79.99ポイント(0.28%)安の28881.40ポイントと続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が90.01ポイント(0.80%)安の11118.89ポイントと4日続落した。売買代金は1247億7200万香港ドルに拡大している(25日の売買代金は1073億900万香港ドル)。

米中貿易摩擦の激化を警戒した売りが続く。米メディアは25日、「トランプ大統領は中国企業の対米投資を制限し、IT技術の流出を規制する方針」などと関係者の話として報じた。米国による対中関税の発動を7月6日に控え、両国の摩擦が貿易戦争に発展するとの懸念も強まっている。また、市場の一部からは、ハンセン指数が昨日の相場で250日移動平均線(29308ポイント)を割り込んだことにより、「弱気相場」入りした可能性があると指摘された。ハンセン指数が同ラインを下回るのは2016年半ば以来、約2年ぶりという。

ハンセン指数の構成銘柄では、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(2007/HK)が6.6%安、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(2018/HK)が3.6%安、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が2.1%安、石炭最大手の中国神華能源(1088/HK)が1.9%安と下げが目立った。本土不動産株に関しては、西安、長沙の両市が全国で初めて、企業による住宅購入の禁止方針を発表したことなどが引き続き売り材料となっている。

セメントや鉄鋼など素材セクターも安い。華潤水泥HD(1313/HK)が8.8%、中国建材(3323/HK)が6.9%、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が4.5%、鞍鋼(347/HK)が4.3%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が1.3%ずつ下落した。

港湾・海運セクターもさえない。中遠海運港口(1199/HK)が2.5%安、招商局港口HD(144/HK)が1.7%安、中遠海運HD(1919/HK)が6.9%安、中外運航運(368/HK)が4.1%安、中遠海運発展(2866/HK)が3.7%安で引けた。

半面、通信関連セクターは物色される。キャリアの中国電信(チャイナ・テレコム:728/HK)が1.7%高、中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)が1.2%高、設備や工事の中国通信服務(552/HK)が5.4%高、中興通訊(ZTE:763/HK)が4.5%高、京信通信系統HD(2342/HK)が1.8%高と値を上げている。上記キャリア2社と中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)が共同出資する中国鉄塔は、今週にも新規株式公開(IPO)が認可される見込みなどと伝えられた。3社は鉄塔公司を通じ、通信インフラ関連の設備投資や運営・管理を共同で推進。重複投資を回避するとともに、運営コストを削減する狙いがある(聯通株は引けにかけて売られ0.6%安で終了)。

半導体セクターも急伸。華虹半導体(1347/HK)が9.8%、上海先進半導体製造(3355/HK)が4.8%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が2.7%ずつ上昇した。華虹半導体は上場来高値を更新している。米政権のIT投資制限を背景に、中国政府がハイエンド技術の確立を急ぐとの期待が一段と強まった。

一方、本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.52%安の2844.51ポイントで取引を終えた。金融株が下げを主導する。海運株、資源・素材株、インフラ関連株、発電株、消費関連株なども安い。不動産株は大幅続落した。半面、成長性の高いハイテクや医薬関連の銘柄群は急伸。商用車メーカー株なども物色された。


【亜州IR】




<FA>

情報提供元: FISCO
記事名:「 26日の香港市場概況:ハンセン0.3%安で続落、半導体の華虹は上場来高値を更新