12日の香港市場は小幅に値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比39.36ポイント(0.13%)高の31103.06ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が34.54ポイント(0.28%)高の12206.57ポイントとそろって続伸した。売買代金は877億3100万香港ドルに拡大したが依然として低水準で推移している(11日の売買代金は773億7600万香港ドル)。

安寄り後に買われる流れ。史上初の米朝首脳会談が予定通り開催されるなか、朝鮮半島の安定化が期待された。米朝首脳は合意文書に署名。トランプ米大統領は「大きな進ちょくがあった」と発言した。ただ、上値は限定的。今週は引き続き12~13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、14日の欧州中央銀行(ECB)理事会と重要イベントが相次ぐことから、様子見ムードも漂っている。

業種別では、医薬関連の上げが目立つ。石薬集団(1093/HK)が5.1%上昇し、ハンセン指数構成銘柄の値上がり率トップとなった。このほか広州白雲山医薬集団(874/HK)が5.9%高、中国生物製薬(1177/HK)が5.0%高、緑葉製薬集団(2186/HK)が2.6%高と値上がりしている。国家発展改革員会が11日、「バイオ創薬支援プラットフォーム」の設立方針を示したことなどが支援材料だ。

食品・飲料セクターも物色される。華潤ビール(291/HK)が6.9%高、中国蒙牛乳業(2319/HK)が3.7%高、統一企業中国HD(ユニプレジデント・チャイナ:220/HK)が2.9%高、青島ビール(168/HK)が2.3%高で引けた。ビール株などについては、今週14日にロシアで開幕するサッカー・ワールドカップ(W杯)を意識し、食品や飲料の消費が盛り上がるとの期待感が先行した格好。中国ではサッカー人気が高く、過去のW杯でも売上が伸びた経緯がある。

半面、香港系不動産セクターは軟調。恒隆地産(101/HK)が0.9%、恒基兆業地産(12/HK)が0.5%、新世界発展(17/HK)が0.3%ずつ下落した。香港は金融政策で米国に追随するため、米金利の上昇が警戒されている。前述したFOMCでは追加利上げが確実視されており、「年内の利上げ回数見通しが増やされる」との観測も流れた。

一方、本土市場は4日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.89%高の3079.80ポイントで取引を終えた。食品・飲料株が高い。医薬品株、エネルギー株、交通インフラ株、素材株、インフラ関連株、金融株、自動車株、不動産株なども買われた。


【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 12日の香港市場概況:ハンセン0.1%高で続伸、石薬集団が5.1%上昇