連休明け3日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比86.72ポイント(0.29%)高の30180.10ポイントと続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が138.33ポイント(1.15%)高の12136.67ポイントと3日ぶりに反発した。売買代金は1165億5600万香港ドルに縮小している(3月29日の売買代金は1372億8700万香港ドル)。

中国景況感の改善が追い風。国家統計局などが3月31日に発表した3月の製造業PMIは、予想(50.6)を大きく上回る51.5で着地した。主要企業の17年通期決算が先月末までにほぼ出揃い、増益や黒字転換など良好なものが多かったことも買い安心感につながっている。昨夜の米株安を嫌気し安くスタートしたものの、香港の各指数は中盤からプラスに転じた。

業種別では、ゼネコンや建機、セメントなどインフラ関連セクターが高い。中国鉄建(1186/HK)と中国中鉄(390/HK)がそろって4.6%、中国交通建設(1800/HK)が4.1%、中聯重科(1157/HK)が10.3%、中国龍工HD(3339/HK)が7.8%、中国中材(1893/HK)が7.7%、安徽海螺セメント(安徽コンチセメント:914/HK)が7.6%、中国建材(3323/HK)が7.5%ずつ値を上げた。ゼネコンや建機の各社に関しては、17年通期の好決算も手がかりになっている。セメント各社については、セメント価格の上昇も支援材料。同価格は今年第1四半期に下落局面がみられたものの、4月に入り再び値上がり基調に回帰している。年末に向かい、さらに上昇するとの見方も流れた。

医薬関連セクターも物色される。メーカーの中国神威薬業集団(2877/HK)が14.0%高、石薬集団(1093/HK)が2.4%高、広州白雲山医薬集団(874/HK)が1.7%高、卸の国薬HD(1099/HK)が7.1%高、上海医薬集団(2607/HK)が3.6%高と上昇した。
本土系自動車関連セクターの一角もしっかり。乗用車メーカーの広州汽車集団(2238/HK)が9.4%高、吉利汽車HD(175/HK)が1.8%高、トラックの中国重汽(サイノトラック:3808/HK)が6.1%高、ディーゼルエンジン生産のイ柴動力(ウェイチャイ・パワー:2338/HK)が6.4%高で引けた。広州汽車集団に関しては、通期決算の大幅増益と配当増額、株式の無償割当が刺激材料となっている。トラック関連については、今年3月の大型トラック販売台数が前年同月比で15%増加し、過去最高を記録したことが好感されている。

本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.84%安の3136.63ポイントで取引を終えた。アルミや鉄鋼などの素材株、海運株が安い。石炭や石油のエネルギー関連株、インフラ関連株、自動車株、金融株、不動産株なども売られている。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 3日の香港市場概況:ハンセン0.3%高で続伸、インフラ関連に買い