29日の香港市場はまちまち。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比70.85ポイント(0.24%)高の30093.38ポイントと反発する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は2.82ポイント(0.02%)安の11998.34ポイントと小幅ながら続落した。売買代金は1372億8700万香港ドルとなっている(28日の売買代金は1426億4400万香港ドル)。

好業績銘柄が買われる流れ。終盤を迎える主要企業の決算報告では、一部セクターを除き増益や黒字転換などが顕著だった。米中貿易摩擦の警戒感で指数は下落する場面もみられたが、中盤から買いの勢いが増した(H株指数は下げ幅縮小)。また、朝鮮半島情勢の緩和期待が強まったこともプラス。韓国と北朝鮮は29日、閣僚級会議を開き、南北首脳会談を4月27日に開くと決めた。

ハンセン指数の構成銘柄では、乳製品中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が7.0%高と大幅続伸。17年通期業績の黒字転換が引き続き材料視されている。

17年通期決算の発表が終盤に入るなか、業績動向を材料にした物色もみられる。ディーゼルエンジン生産のイ柴動力(ウェイチャイ・パワー:2338/HK)が7.7%高と急伸。通期利益の3倍増、1~3月期の大幅増益見通しが手がかりだ。ディーゼルトラックの販売好調が連想されるなか、中国重汽(サイノトラック:3808/HK)も5.1%高。このほか5割増益の北京首都国際機場(北京国際空港:694/HK)が3.7%、利益4.5倍のTCL多媒体科技HD(TCLマルチメディア:1070/HK)が1.1%ずつ上昇した。

セクター別では、空運株が高い。中国国際航空(753/HK)が5.4%、中国南方航空(1055/HK)と中国東方航空(670/HK)がそろって3.1%ずつ上昇した。航空運賃の値上げが期待される。国際航空が28日、多くの路線を対象とした値上げを中国民用航空局に申請したと報告。同業他社にもその動きが広がるとみられている。

半面、中国自動車セクターはさえない。比亜迪(BYD:1211/HK)が3.2%安、華晨中国汽車HD(1114/HK)と東風汽車集団(489/HK)がそろって3.1%安、広州汽車集団(2238/HK)が2.6%安、北京汽車(1958/HK)が2.0%安と軒並み続落している。華晨中国汽車が報告した17年決算は増収増益だったが、予想にとどかなかったことが失望売りを誘った。BYDについては、17年通期の2割減益、今年1~3月期の業績悪化見通しを明らかにしたことが引き続き売り材料となった。

本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.22%高3160.53ポイントで取引を終えた。大型優良株が相場をけん引。上海市場の代表的な50銘柄で構成される上海50A株指数は1.6%上昇し、主要指標の上海総合指数をアウトパフォームした。
なお香港市場は、あす30日と週明け4月2日がイースターに絡み連休となる。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 29日の香港市場概況:ハンセン0.2%高で反発、中国蒙牛乳業が7.0%高と大幅続伸