31日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比90.65ポイント(0.32%)安の28245.54ポイント、本土企業株で構成されるH株指数が55.66ポイント(0.48%)安の11507.72ポイントとそろって続落した。売買代金は962億7800万香港ドルと高水準が続いている(30日は1038億500万香港ドル)。

中国の指標下振れを嫌気。寄り付き前に公表された今年10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.6となり、9月の実績(52.4)と市場予想(52.0)を下回った。PMIが事前予想を超えて低下するなか、中国景気の鈍化懸念が広がっている。昨夜の米株市場で、主要指標のNYダウが3日ぶりに反落したことも重しだ。ただ、下値は限定的。主要企業の決算発表が終盤を迎えるなか、好決算銘柄の一角に買いが入り、指数はプラス圏に浮上する場面もみられた。

ハンセン指数の構成銘柄では、銀行株の一角が安い。本土拠点の中国銀行(3988/HK)が3.5%、中国工商銀行(1398/HK)が1.9%、香港拠点の中銀香港(BOCホンコン:2388/HK)が3.1%ずつ下落した。中国銀行と中銀香港の1~9月期決算はそれぞれ増益だったが、足元の7~9月期ベースでは純利益が伸び悩み。通期業績に対する不安感が広がった。工商銀行の1~9月期決算は増益。不良債権比率も改善したにもかかわらず、好材料の出尽くし感が意識されている。そのほか、本土系の不動産株や通信株なども値下がりした。

半面、他の個別株動向では、1~9月期利益が3倍に伸びたディーゼルエンジン生産のイ柴動力(ウェイチャイ・パワー:2338/HK)は5.0%高と急伸。利益が4.7倍に拡大した石炭大手のエン州煤業(1171/HK)と利益3.4倍になった鉄鋼メーカーの鞍鋼(アンガン・スチール:347/HK)がそろって2.9%高と買い進まれた。

一方、本土マーケットは小反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.09%高の3393.34ポイントで取引を終えた。上海拠点の貿易関連株が急伸。“自由貿易区(FTZ)の進化版”と呼ばれ、一段の自由化が進められる「自由貿易港」の設立に上海が名乗りを上げたことが再び脚光を浴びた。空運株もしっかり。業績改善が目立つ素材株や保険株なども買われた。宅配物流各社も物色されている。

【亜州IR】





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情報提供元: FISCO
記事名:「 31日の香港市場概況:ハンセン0.3%安と続落、中国銀行が3.5%下落