24日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比150.91ポイント(0.53%)安の28154.97ポイント、本土企業株で構成されるH株指数が85.52ポイント(0.74%)安の11405.55ポイントとそろって続落した。売買代金は899億2700万香港ドルとやや縮小している(23日は913億9600万香港ドル)。23日の米株安や域内資金の流出懸念が弱気材料。本土系の不動産株や銀行株が上昇する中、前引け時点では小幅高で取引を終えていたものの、後場に入って売りが広がる展開となった。前日買われた保険株に利食い売りが出たほか、吉利汽車(175/HK)や瑞声科技(AACテクノロジーズ2018/HK)が売り込まれる中で指数は下げ幅を拡大。今週後半から大型株の四半期決算発表が相次ぐとあって手控えムードも強まった。

ハンセン指数の構成銘柄では、吉利汽車(175/HK)が2.9%安で値下がり率トップ。中国での新車販売減速への懸念が浮上している。全国乗用車市場信息聯席会の崔東樹・秘書長はこのほど、中国の新車販売が今年10~11月にマイナス成長に転じる恐れがあると指摘。消費需要の低迷に加えて、小型車減税の縮小による影響が出る可能性に言及した。

同業銘柄も軒並み下落。比亜迪(BYD:1211/HK)が3.7%安、北京汽車(1958/HK)が2.7%安、東風汽車集団(489/HK)が1.7%安で引けた。うちBYDに関しては、「中国政府が新エネルギー車の生産能力の過剰が生じていないか調査を進めている」との報道や、「米テスラが中国上海に工場を建設する」との観測も売り材料視されている。

半面、本土系不動産株は上昇。華潤置地(1109/HK)が1.5%高、中国海外発展(688/HK)が0.4%高と逆行高を演じた。月初の大型連休に販売不振が伝わったことでさえない値動きを続けていたが、ここに来て買い戻しが広がった格好。外資系ブローカーは「連休の苦戦は想定内」とし、今後、同セクターのバリュエーション見直しが進むと分析している。
本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.22%高の3388.25ポイントで取引を終えている。業績期待が相場を支える展開。四半期決算の発表が本格化する中、業績期待の強い保険株やセメント株などに引き続き物色の矛先が向かった。ただ、積極的に買い進む動きは見られず、指数は上値の重さも目立つ。中国では24日に第19回共産党大会が閉幕。当局による相場下支えの安心感が徐々に後退する中で、慎重ムードが広がっている。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 24日の香港市場概況:ハンセン0.5%続落、吉利など自動車株安い