4日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比205.97ポイント(0.73%)高の28379.18ポイント、本土企業株で構成されるH株指数が91.79ポイント(0.81%)高の11397.17ポイントとそろって3日続伸した。売買代金は861億1600万香港ドルに縮小している(3日は1031億2900万香港ドル)。

預金準備率引き下げに対する期待感が高まる状況。中国人民銀行(中央銀行)は9月30日、中小企業や個人事業者などへの新規貸出または貸出残高が一定比率に達した商業銀行を対象に、預金準備率を最大で1.5ポイント引き下げる方針を明らかにした。一部ブローカーによれば、最大で1兆人民元の流動性が新たに供給されるという。米金利低下もプラス。米連邦準備理事会(FRB)の次期議長人事を巡り、金融引き締めに慎重なパウエルFRB理事(現職)が有力と伝わった。米10年債利回りが低下するなか、金融動向が米国に追随する香港でも域内金利が低下するとみられている。米ドル高の一服を背景に、人民元安の進行に歯止めがかかりつつあることも好材料だ。

ハンセン指数の構成銘柄では、不動産株がしっかり。本土系の中国海外発展(688/HK)と華潤置地(チャイナ・リソーシズ・ランド:1109/HK)がそれぞれ2.3%高、2.0%高、香港の新鴻基地産発展(サンフンカイ・プロパティーズ:16/HK)が2.0%高で引けた。そのほか個別では、石炭最大手の中国神華能源(1088/HK)が6.1%高、民間自動車メーカーの吉利汽車(175/HK)が4.9%高と上昇率上位に並ぶ。吉利汽車に関しては、大手ブローカーの強気見通しが引き続き手がかり。年初来高値を連日で更新した。

H株金融セクターの物色も続く。新華人寿保険(1336/HK)が1.9%高、中国太平洋保険集団(2601/HK)が1.5%高、中国平安保険(2318/HK)が1.3%高、中国工商銀行(1398/HK)が1.8%高、中信証券(6030/HK)が0.9%高で引けた。

なお、あす5日は中秋節の振り替えで香港マーケットが休場となる。取引再開は翌6日。一方、本土マーケットは国慶節・中秋節の大型連休により、今週いっぱい休場となる。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 4日の香港市場概況:ハンセン0.7%高と3日続伸、不動産セクターしっかり