30日の中国本土市場は小幅ながら値下がり。主要指標の上海総合指数は、前日比1.60ポイント(0.05%)安の3363.63ポイントと4日ぶりに反落した。上海A株指数も下落し、1.77ポイント(0.05%)安の3522.72ポイントで取引を終えている。

金利高が懸念される。上海銀行間取引金利(SHIBOR)の翌日物は29日、15年4月以来の2.9%台に跳ね上がり、この日も上昇が続いた(28日までは2.8%台で推移)。決算発表を控えた大型銀行株の下げも重し。中国工商銀行(601398/SH)が1.8%安、中国農業銀行(601288/SH)が1.3%安で引けた。自動車株もさえない。メーカーの上海汽車集団(600104/SH)が1.2%、車部品の華域汽車系統(600741/SH)が1.6%ずつ低下した。金相場の下げを嫌気し、産金株も売られた。

もっとも、下げ幅は限定的。元高の進行などを追い風に、指数はプラス圏で推移する場面もみられた。上海の外国為替市場では、元相場が約1年2カ月ぶりの高い水準で推移している。これを受けて空運株が急伸。中国南方航空(600029/SH)が5.0%高、中国国際航空(601111/SH)が3.1%高と値を上げた。元高による外貨建て債務の軽減が意識されている。原料の輸入コストが下がるとの思惑が広がるなか、紙・パルプ株も物色された。

非鉄や鉄鋼の素材株も高い。中国アルミ(601600/SH)が7.7%、江西銅業(600362/SH)が1.0%、馬鞍山鋼鉄(600808/SH)が7.0%、宝山鋼鉄(600019/SH)が4.0%ずつ上昇した。中国アルミや宝山鋼鉄などに関しては、「国家隊」(政府系ファンド)が今年上半期に株式を新たに購入したことも手がかりとなっている。

一方、外貨建てB株相場は値上がり。上海B株指数が2.82ポイント(0.83%)高の343.62ポイント、深センB株指数が1.81ポイント(0.16%)高の1150.04ポイントで終了した。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 30日の中国本土市場概況:上海総合0.1%安と4日ぶり反落、大型銀行株さえない