11日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比377.58ポイント(1.48%)高の25877.64ポイントと続伸し、本土企業株で構成されるH株指数が201.62ポイント(1.97%)高の10416.20ポイントと4日ぶりに反発した。売買代金は880億2100万香港ドルにやや拡大している(10日の売買代金は801億8600万香港ドル)。

中国の政策期待で投資家心理が上向く。広東、香港、マカオの経済連携などを強化するベイエリア構想「粤港澳大湾区」について、初歩的な発展計画が完成したと報じられた。同計画を通じ、「数兆元規模」のインフラ投資が始動するとみられている。本土からの資金流入も追い風。上海・香港間の「相互乗り入れ」(両株式市場の相互取引開放)を通じた取引で、前日まで11営業日連続で香港株が買い越された。買い越し金額も前日は急増している。

ハンセン指数の構成銘柄では、時価総額上位の本土系金融株がしっかり。中国建設銀行(939/HK)が4.0%高、中国工商銀行(1398/HK)が3.1%高、中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が2.7%高で引けた。このほか、昨夜の米株市場でIT・ハイテク関連株が買われた流れを継ぎ、スマートフォン向けなど小型電子部品メーカーの瑞声科技HD(AACテクノロジーズ:2018/HK)が3.3%高、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が2.5%高と値を上げている。民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)も7.5%高と上昇が目立つ。「今年中間期の増益率は前年同期比で100%を超える」との見通しを発表したことが手がかりだ。

そのほかにも、個別に材料の出た銘柄群が賑わう。取引再開の融創中国HD(SUNACチャイナ・ホールディングス:1918/HK)が13.6%高と急騰した。中国民営コングロマリットの大連万達集団が10日、融創中国に対し、ホテルやテーマパークなど観光資産を約630億人民元(約1兆円)で譲渡すると発表したことが刺激材料。融創中国は10日、株式売買を一時停止していた。

百貨店チェーン中国大手の百盛商業集団(パークソン・リテール:3368/HK)は7.7%高。買収観測が浮上する。主要株主による保有株買い増しが材料視された。

本土市場は小幅に続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.30%安の3203.04ポイントで取引を終えた。資源・素材株の下げが目立っている。半面、時価総額上位の金融株や自動車株、消費関連株などは物色された。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 11日の香港市場概況:ハンセン1.5%高と続伸、本土系金融株に買い