4日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比395.16ポイント(1.53%)安の25389.01ポイント、本土企業株で構成されるH株指数が106.50ポイント(1.02%)安の10305.98ポイントとそろって反落した。ハンセンは約1カ月半ぶりの安値圏に落ち込んでいる。売買代金は988億7000万香港ドルに拡大した(3日の売買代金は751億3000万香港ドル)。

本土株安が投資家のセンチメントを冷やす流れ。商品市況高を支えに小高く推移していたものの、上海総合指数が下げ幅を広げたことを嫌気し、香港の各指数もマイナスに転じた。中国本土では、金融面の監督管理強化に対する不安がくすぶっている。「ファンドなどの投資家が大口の売りを出した」との観測が流れるなか、指数は中盤から一段安となった。なかでも、今年上半期の相場をリードしていた銘柄群が安い。

ハンセン指数の構成銘柄では、中国インターネットサービス大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が4.1%安、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が3.6%安、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が3.5%安、石炭最大手の中国神華能源(1088/HK)が3.1%安と下げが目立っている。テンセントに関しては、ゲーム事業に絡んだ不安感が浮上。共産党系メディアの人民網が3日、同社の人気モバイルゲーム「王者栄耀(オナー・オブ・キングズ)」を痛烈に批判する論説記事を掲載したことが嫌気された。カジノ株については、本土客の減少懸念などが売り材料視されている。吉利汽車と中国神華能源は、3日に年初来高値を更新しただけに、利食い売りも出やすい状況だった。

H株金融セクターもさえない。中国人寿保険(2628/HK)が2.3%安、新華人寿保険(1336/HK)が1.9%安、中国太平洋保険集団(2601/HK)が1.6%安、招商銀行(3968/HK)が2.1%安、中国建設銀行(939/HK)が1.5%安で引けた。

半面、エネルギー関連株は逆行高。石油大手3社の中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が2.7%、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が1.3%、中国石油化工(サイノペック:386/HK)が0.2%、天然ガス事業の昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が0.7%、海洋油田掘削サービス大手の中海油田服務(2883/HK)が2.9%ずつ上昇した。昨夜のWTI原油先物が8日続伸したことが好感されている。

本土市場は4日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.41%安の3182.80ポイントで取引を終えた。金融株が下げを主導。鉄鋼株や石炭株、不動産株、インフラ関連株、消費関連株なども売られた。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 4日の香港市場概況:ハンセン1.5%安と反落、「ゲーム依存批判」でテンセント4.1%