週明け3日の香港市場は小幅に値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比19.59ポイント(0.08%)高の25784.17ポイント、本土企業株で構成されるH株指数が47.26ポイント(0.46%)高の10412.48ポイントとそろって反発した。売買代金は751億3000万香港ドルに縮小している(6月30日の売買代金は813億1500万香港ドル)。

政策期待が強まる流れ。広東、香港、マカオの経済連携などを強化するベイエリア構想「粤港澳大湾区」建設決定などが支援材料となっている。香港訪問中の習近平国家主席が見守るなか、中央政府と3地域の代表は1日、同ベイエリア構築に関する枠組み協定に署名した。なお、指数が伸び悩んだ一因としては、ハンセン指数とH株指数に重複採用されている中国工商銀行(1398/HK)が下げたことが挙げられる。同行株は現金配当(1株当たり0.2343人民元)の権利落ちで4.6%のマイナスとなった(株価調整後は0.6%高)。

ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が4.0%高、保険事業で中国2位の中国平安保険(2318/HK)と天然ガス事業の昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)がそろって2.3%高と上げが目立った。

中国不動産セクターも高い。恒大地産集団(3333/HK)が9.1%、雅居楽集団HD(3383/HK)が8.5%、万科企業(2202/HK)が5.7%、首創置業(2868/HK)が5.1%、広州富力地産(2777/HK)が4.0%ずつ上昇した。広州富力地産が3日に今年6月営業実績を報告し、成約額が大幅に伸びたことをセクター全体の支援材料としている。

非鉄や鉄鋼など素材セクターもしっかり。洛陽モリブデン集団(チャイナ・モリブデン:3993/HK)が4.3%高、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が4.0%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が6.1%高、鞍鋼(347/HK)が1.7%高で引けた。非鉄や鉄鋼などの商品市況高が追い風となっている。

半面、マカオのカジノセクターはさえない。銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が2.2%安、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が1.3%安と値を下げた。マカオの6月カジノ収入が25.9%増にとどまり、市場予想を下回ったことが嫌気されている。

本土市場は小幅に3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.11%高の3195.91ポイントで取引を終えた。鉄鋼株と石炭株が高い。非鉄株の一角も物色されている。半面、金融株は売られた。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 3日の香港市場概況:ハンセン0.1%高と反発、中国不動産セクター急伸