16日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比161.15ポイント(0.24%)高の25626.49ポイントと反発し、本土企業株で構成されるH株指数は38.74ポイント(0.37%)高の10384.89ポイントと3日ぶりに反発した。売買代金は798億4000万香港ドルにやや拡大している(15日の売買代金は764億1100万香港ドル)。

前日に急落した反動で買われる展開。昨日のハンセン指数は、下げ幅が今年3番目の大きさだった。指数が約3週間ぶりの安値となるなか、値ごろ感が着目されている。ただ、買い進む動きはみられない。本土株が安く引けたことなどが重しとなり、香港の各指数は終盤に入り上げ幅をやや縮小させた。

ハンセン指数の構成銘柄では、紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)が1.3%高、本土最大手行の中国工商銀行(1398/HK)と中国政府系インベストメント会社の中国中信(CITICリミテッド:267/HK)、中国政府系デベロッパーの華潤置地(チャイナ・リソーシズ・ランド:1109/HK)がそろって1.2%高と上げが目立った。本土重複上場の中国工商銀行に関しては、本土A株が米MSCIの指数に採用されるとの期待もプラス材料。指数算出などの米MSCIは20日、新興国株指数に人民元建てA株を組み入れるかどうかを発表する予定だ。MSCIはこれまで採用を見送ってきたが、今回は組み入れられる可能性があるとの観測が流れている。

環境関連の公益株も物色される。インフラ事業の天津創業環保(1065/HK)が7.1%高、北京市政府系で下水処理大手の北控水務集団(371/HK)が3.7%高、水道供給と下水処理の中国水務集団(855/HK)が1.1%高と値を上げた。 

他の個別株動向では、モリブデン中国最大手の洛陽モリブデン集団(3993/HK)が6.9%高と急伸。同社は15日夜、海外鉱山(コンゴ民主共和国の銅・コバルト鉱床)の買収計画が中止された事実はないとする声明を発表。買収は完了していると改めて強調した。海外事業の拡大が再び材料視されている。

一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.30%安の3123.17ポイントで取引を終えた。ゼネコンや建機などインフラ関連株が安い。自動車株も売られた。半面、環境関連株は急伸。金融株の一角や非鉄株なども買われた。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 16日の香港市場概況:ハンセン0.2%高と反発、環境関連に買い