16日の中国本土市場は小幅に値下がり。主要指標の上海総合指数は、前日比9.32ポイント(0.30%)安の3123.17ポイントと反落した。上海A株指数も下落し、9.78ポイント(0.30%)安の3270.77ポイントで取引を終えている。

市中金利の上昇基調を嫌気。上海銀行間取引金利(SHIBOR)の1カ月物は今月に入り急速に上昇し始め、足元では約2年2カ月ぶりの高値水準を連日で切り上げている。金融当局の管理強化に対する警戒感も再燃。国際通貨基金(IMF)の幹部は14日、北京市内で「中国の金融システムにリスクがある」と発言した。そのうえで、監督強化の必要性を指摘したことが改めてネガティブ材料視されている。ただ、下値は限定的。「指数算出などの米MSCIが来週20日に発表する新興国株指数の入れ替えに関し、人民元建てA株が採用される確率は高い」との観測が流れた。一部のアナリストなどは、時価総額上位の大型株が組み入れられるとの見方を示している。

業種別では、ゼネコンや建機などインフラ関連株が安い。中国建築(601668/SH)が3.6%、中国交通建設(601800/SH)が1.6%、三一重工(600031/SH)が1.1%ずつ値を下げた。自動車株も売られる。上海汽車集団(600104/SH)が8.4%安、長城汽車(601633/SH)が1.5%安で引けた。上海汽車集団に関しては、安邦保険集団(本社:北京市朝陽区)の経営トップが拘束されたこともマイナス。同社は安邦保険集団の創業時に出資し、現在も業務上の関係がある。

半面、河北省の「雄安新区」設立に絡み同地や北京、天津などに事業拠点を置く環境関連株は高い。下水処理の天津創業環保集団(600874/SH)が値幅制限いっぱいまで買われ、インフラ・公共設備運営の北京首創(600008/SH)が2.3%上昇した。非鉄関連株、金融株の一角などもしっかり。

一方、外貨建てB株相場はまちまち。上海B株指数が0.43ポイント(0.13%)安の322.64ポイント、深センB株指数が1.07ポイント(0.10%)高の1118.53ポイントで終了した。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 16日の中国本土市場概況:上海総合0.3%安と反落、インフラ関連さえない