14日の香港市場は、前日終値付近で取引を終えた。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比23.80ポイント(0.09%)高の25875.90ポイントと続伸する半面、本土企業株で構成されるH株指数は10.83ポイント(0.10%)安の10514.91ポイントと反落した。売買代金は764億1100万香港ドルと小幅ながら縮小している(13日の売買代金は798億5300万香港ドル)。

欧州株高が支え。本土株安を嫌気して売られたものの、取引時間中に始まった欧州市場で主要株価指標が軒並み上昇したことを好感した(H株指数は下げ幅縮小)。ただ、買い進む動きはみられない。今夜まで開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)が気がかりだ。FOMCでは追加利上げが確実視されている。なお、取引時間中に公表された5月の中国経済統計はまちまち。小売売上高は予想通りで、鉱工業生産額はやや上振れた。1~5月の都市部・固定資産投資は予想と前月実績を下回っている。

ハンセン指数の構成銘柄では、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が1.8%高、石油・化学大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)が1.4%高と上げが目立った。

半導体セクターもしっかり。ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が10.7%高、同じくICファウンドリーの華虹半導体(ファホンセミコンダクター:1347/HK)が3.3%高、ICパッケージング・テスティング機器最大手のASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が3.2%高と値を上げた。SMICに関しては、外資ブローカーのレーティング引き上げが刺激材料。マッコーリーは最新リポートで、投資判断を「中立」から「アウトパフォーム」に引き上げ、目標株価を9.20→12.50香港ドルに上方修正した(同社株の終値は8.57香港ドル)。

一方、不動産セクターはさえない。香港系の恒隆地産(101/HK)が1.4%、恒基兆業地産(12/HK)と信和置業(83/HK)がそろって1.2%、本土系の華潤置地(1109/HK)と広州富力地産(2777/HK)がそろって1.3%下落した。香港系不動産株の関しては、米金融動向が不安視されている。香港の金融政策は米国に追随するためだ。本土系不動産株については、この日公表された不動産関係の指標低迷が売り材料視されている。

本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.73%安の3130.67ポイントで取引を終えた。金融株や不動産株が安い。インフラ関連株や資源・素材株、自動車株、消費関連株なども売られた。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 14日の香港市場概況:ハンセン0.1%高と続伸、半導体セクターに買い