21日の香港市場は小幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比14.96ポイント(0.06%)安の24042.02ポイント、本土企業株で構成されるH株指数が6.15ポイント(0.06%)安の10050.02ポイントとそろって反落した。売買代金は611億2600万香港ドルに縮小している(20日は677億3000万香港ドル)。

中国金融当局の規制強化スタンスが懸念された。銀行や保険、証券の各監督機関はこのところ、影の銀行(シャドーバンキング)が抱えるリスクを抑制するスタンス。「理財商品」(高利回りの投資商品)の規模拡大を防ぐための施策を矢継ぎ早に打ち出した。住宅価格の上昇に歯止めがかからないなか、不動産規制の広がりも不安視されている。

ハンセン指数の構成銘柄では、不動産株の下げが目立つ。本土系の華潤置地(1109/HK)と中国海外発展(688/HK)がそれぞれ2.5%安、0.7%安、香港系の信和置業(サイノランド:83/HK)が1.7%安で引けている。本土系の保険株も値下がりした。

中国自動車セクターの一角もさえない。東風汽車集団(489/HK)が1.7%安、吉利汽車(175/HK)が0.7%安とそろって反落している。前日の相場では、19日に開幕した「上海モーターショー」を材料に買いが目立っていた。

半面、他の個別株動向では、半導体パッケージング・テスティング機器最大手のASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が5.4%高と急伸。今年1~3月期の450%増益が材料視された。石炭大手のエン州煤業(1171/HK)も0.7%高としっかり。1~3月期の石炭販売量が25.3%拡大し、前年通期の16.4%減からプラス成長を回復したことがポジティブ材料だ。

アップル向けに部品供給する銘柄群も上げが目立つ。小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が3.6%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が0.8%高と続伸した。そろって上場来高値を連日で更新している。米アップルが今秋投入する「iPhone(アイフォーン)」の新機種について、機能やディテールが全面刷新されるとの観測が引き続き刺激材料となった。

本土市場は小幅続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.03%高の3173.15ポイントで取引を終えた。銀行株や保険株がしっかり。セメント株も買われた。半面、消費関連株やゼネコン株、軍需関連株などは値下がりしている。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 21日の香港市場概況:ハンセン0.1%安と小反落、不動産セクターさえない