21日の中国本土市場は小幅に値上がり。主要指標の上海総合指数は、前日比1.05ポイント(0.03%)高の3173.15ポイントと続伸した。上海A株指数も上昇し、1.10ポイント(0.03%)高の3322.80ポイントで取引を終えている。

資金流出の懸念がやや和らぐ。国家外貨管理局の最新統計によれば、銀行を介した資本取引は今年1~3月も流出超過が続いているものの、その規模は前年同期と比べて大幅に縮小している。中国人民銀行(中央銀行)の資金供給もプラス。人民銀は今週、リバースリポを通じ計3600億人民元の資金を市中に供給した。期日到来分との差し引きでは1700億人民元の供給超。週間の供給超は2週連続となり、規模は約3カ月ぶりの大きさだった。ただ、上値は限定的。直近で上げの目立っていた銘柄群が下落し、相場の重しとなった。

業種別では、銀行株や保険株がしっかり。招商銀行(600036/SH)が2.2%高、中国工商銀行(601398/SH)が1.7%高、中国人寿保険(601628/SH)が1.3%高で引けた。セメント株も上げが目立つ。業界大手の安徽海螺セメント(600585/SH)が1.6%上昇した。これまでに発表されたセメント各社の第1四半期決算が概ね改善していることを受け、通年での業績期待も高まっている。石油や石炭のエネルギー株、発電株、バイオ医薬関連株なども物色された。

半面、消費関連株がさえない。白酒(中国の蒸留酒)メーカー大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)が3.6%安と5日ぶりに反落している。同社株は昨日まで連日で上場来高値を更新していた。新たな経済特区「雄安新区」関連のゼネコン株、河北省拠点の銘柄なども下落している。朝鮮半島リスクなどを囃し買われていた軍需関連株も値下がりした。

一方、外貨建てB株相場はまちまち。上海B株指数が0.18ポイント(0.05%)高の337.17ポイント、深センB株指数が0.24ポイント(0.02%)安の1139.17ポイントで終了した。


【亜州IR】


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情報提供元: FISCO
記事名:「 21日の中国本土市場概況:上海総合0.03%高と続伸、金融株がしっかり