週明け6日の香港市場は小幅に値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比43.56ポイント(0.18%)高の23596.28ポイントと3日ぶり、本土企業株で構成されるH株指数が26.63ポイント(0.26%)高の10171.10ポイントと8日ぶりにそれぞれ反発した。一方、売買代金は622億9000万香港ドルに縮小している(3日は757億500万香港ドル)

中国の政策期待で買われる。5日開幕した全国人民代表大会(全人代)の「政府活動報告」では、2017年の経済成長率目標を大方の予想通り「6.5%前後」にすると発表された。16年の「6.5~7.0%」から引き下げたものの、現実的な安定成長路線に転換したとして市場の反応はポジティブとなっている。また、国家発展改革委員会は全人代に提出した「2017年の経済政策に関する報告書」で、全国固定資産投資、小売売上高の増加率がそれぞれ9%前後、10%前後になるとの見通しを示した(16年の実績は全国固定資産投資が前年比7.9%増、小売売上高は10.4%増)。

業種別では、非鉄や鉄鋼、セメントの素材セクターがしっかり。洛陽欒川モリブデン集団(3993/HK)が5.4%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が3.4%、鞍鋼(アンガン・スチール:347/HK)が1.8%、中国中材(1893/HK)が2.5%ずつ上昇した。上述したように、固定資産投資の目標が高く設定されたことで、素材需要も伸びると連想されている。

家電セクターも高い。TCL多媒体科技HD(TCLマルチメディア:1070/HK)が6.6%、海信科龍電器(ハイセンス・ケロン・エレクトリカル:921/HK)が5.2%、創維数碼HD(スカイワース・デジタル:751/HK)が5.0%ずつ値を上げた。消費の安定成長が期待されている。

半面、香港系不動産セクターは弱含み。長江実業地産(1113/HK)と新鴻基地産発展(サンフンカイ・プロパティーズ:16/HK)がそろって0.9%安と続落した。早期の米利上げ観測が一段と高まるなか、金融政策が米国に追随する香港でも金利上昇が警戒されている。域内住宅ローンの上昇で物件販売が鈍ると不安視された。

他の個別株動向では、この日からハンセン指数の採用銘柄となった吉利汽車HD(175/HK)が0.6%安とさえない。寄り付き直後に2.1%高と上昇したものの、程なくマイナスに転じた。

【亜州IR】





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情報提供元: FISCO
記事名:「 6日の香港市場概況:ハンセン0.2%高と3日ぶり反発、家電セクター急伸