16日の香港市場は小幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比38.65ポイント(0.18%)安の22020.75ポイントと続落し、本土企業株で構成されるH株指数は8.83ポイント(0.09%)安の9470.33ポイントと3日続落した。売買代金は716億9900万香港ドルに縮小している(15日は808億100万香港ドル)。

域内金利の上昇が重し。米10年債利回りが約2年3カ月ぶりの高水準に達するなか、米金融政策に追随する香港でも金利上昇に歯止めがかからない状況だ。香港銀行間取引金利(HIBOR)の1カ月物は、今月初めの約0.46%から16日は約0.66%まで上昇。約8年ぶりの高い水準で推移している。米ドル高を背景に、中国や新興国から資金が流出するとの警戒感も広がった。ただ、小高く推移する場面もみられている。中央経済工作会議が14日に開幕したことで、中国の政策期待が続いた。

ハンセン指数の構成銘柄では、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が2.6%安、長和グループ系インフラ投資会社の長江基建集団(長江インフラ:1038/HK)が2.0%安、香港不動産デベロッパー大手の信和置業(サイノランド:83/HK)が1.7%安と下げが目立った。蒙牛乳業に関しては、通期決算で大幅赤字を計上するとの業績警告が引き続き売り材料視されている。

H株保険セクターもさえない。中国人民財産保険(2328/HK)が1.4%、中国平安保険(2318/HK)が1.2%、中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が1.0%ずつ下落した。保険会社に対する監督強化が懸念される。保健当局は近く、一部の保険会社による「過度に積極的」な投資行為を規制する見込み——と伝えられた。

一方、中国自動車セクターは反発。華晨中国汽車HD(ブリリアンス・チャイナ:1114/HK)が4.2%高、東風汽車集団(489/HK)が1.2%高、比亜迪(BYD:1211/HK)が1.1%高と値上がりする。年末で終了予定だった「小型車減税」に関し、2017年末まで延長することが決定されたことを好感した。税率は5.0%から7.5%に上昇するものの、減税前の水準は10%だったため、ひとまず安心感が広がっている。


【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 16日の香港市場概況:ハンセン0.2%安と続落、中国自動車セクターは逆行高