シークス Research Memo(3):世界各地で様々な業種にEMSを提供
FISCO 2026年10月29日 11:03:00
*11:03JST シークス Research Memo(3):世界各地で様々な業種にEMSを提供
■事業概要
1. 事業内容
シークス<7613>は、子会社26社、関連会社14社で構成される。世界14ヶ国に製造拠点と販売拠点を約50拠点展開し、EMSを軸に電子部品などの部材調達から物流、保守まで、様々な業種において一気通貫したサービスを提供している。同社の事業は様々な角度から捉えることができ、報告セグメントとなっている地域別のほか、品種別、サービス別の分類ができる。
(1)地域別
報告セグメントとしては、経営上の意思決定や業績評価を行う基礎となる地域別業務執行責任体制に基づき、事業活動を展開している地域別に、日本、中華圏、東南アジア、欧州、米州の5つに分類している。地域別で扱っている商材に違いはあるが、品種別で主力となっている車載関連機器では、世界中で自動車メーカーのティア1(1次サプライヤー)と取り引きしているため、どのエリアでも同様の製品を供給する必要があり、納品先に近い拠点で製造している。収益面では、エリアによる違いというよりも、装置産業であるため投資の予実差異や地域の景気、顧客の好不調の影響を受ける。直近では、欧州で景気の波、中華圏では景気低迷と日本製品苦戦の影響があった。当初は日本メーカーとともに海外へ進出した同社だが、現在はグローバルビジネスオーガナイザー(Global Business Organizer)として、世界のメーカーのため、各国に存在する様々なニーズとシーズを結び付け新たな価値を提供している。この結果、海外の売上高構成比は8割程度を占めるようになった。
(2)品種別
電子化する分野であればすべてが同社のビジネスチャンスとなる。車載関連機器、産業機器、家電機器、情報機器など分野を問わず、電子機器に入っている電子部品、実装基板を提供している。具体的には、車載関連機器ではカーマルチメディア、メーター、フロントパネル、各種スイッチ、エクステリア、モーター、エンジンコントロールユニット、準ミリ波レーダー、車載カメラなどに組み込まれている。産業機器ではパワーツール用エンジン点火装置、業務用AV機器、業務用エアコン、医療機器、工業用ミシンなど、家電機器ではデジタル家電、エアコン、キッチン家電、健康器具、知育玩具など、情報機器では事務機器、プリンターなどに組み込まれている。ほかに、その他一般電子部品や、ワイヤーハーネス部材、オートバイ用部材、自動車部品、設備機械、化成品、雑貨など様々な製品も扱っている。20年前はデジタルカメラなど家電機器が主力だったが、その後EVや自動運転など自動車の電装化が急速に進展するタイミングで車載関連機器を伸ばし、現在は6割以上を占めるようになった。車載関連機器が急速に伸びたのは、同社の品質とグローバルに供給できる海外拠点が評価されたためである。なかでも品質については、自動車は耐久性と100%の良品率が求められることから、同社の不良品を排除する仕組みやトレーサビリティシステムが評価されたと考えられる。足元では産業機器においても電子化ニーズが高まってきたため、ターゲットとして重視している。収益性は用途や製品で様々で、現地納品で地場産業化することから、特に競争が激しい中国などエリアの競合状況によって異なることもある。
(3)サービス別
同社のサービスには、EMS、TRADING(部材調達代行・物流サービス)、プラスチック成形、JDM(Joint Design and Manufacturing:共同設計製造)がある。EMSが売上高の8割強を占め、祖業とも言えるTRADINGが2割弱となっている。プラスチック成形はEMSのプラスワンサービス、JDMはEMSにつながる提案サービスのため、最終的にEMSの売上高として計上される。EMSでは、グローバル拠点での高品質・高精度な技術力を生かし、あらゆる分野で使用される電装品の電子基板実装を中心にモジュールや一部完成品まで、アウトソーシングニーズに幅広く対応している。TRADINGでは、世界の拠点を生かして電子部品の調達サービスをグローバルに提供し、必要な部品はすべて顧客の購買部門に代わって調達することができる。部材調達以外のサービスメニューとして、キッティング※1やVMI/JIT※2、VA/VE※3、完成品の輸出入といった要請にも応えている。収益性は、付加価値の大きいEMSがTRADINGより高くなっている。
※1 キッティング:生産に必要な部品を生産ラインに投入できる単位にまとめて一括して納入すること。
※2 VMI/JIT(Vendor Managed Inventory/Just In Time):顧客に代わって同社が部材の在庫管理を行い、必要なときに必要な量の部材を届けること。
※3 VA/VE(Value Analysis/Value Engineering):使われる部材を良質安価な部材に置き換えたり、製品の設計開発段階から適切な部材を選定したりすることを提案し、原価低減活動をサポートすること。
プラスチック成形では、フィリピンとインドネシアにプラスチック射出成形工場を有しており、プラスチック射出成形から完成品までワンストップで対応している。複合化、モジュール化された製品を製造するとともに、顧客の横持ちコストも軽減している。成形された樹脂部品は単品または隣接のEMS工場で実装基板に組み付けられ、車載業界、医療業界、OA業界、光学機器業界、産業機器業界など広範囲な用途で利用される。樹脂原料も、一般汎用樹脂からエンジニアリングプラスチックまで多様な対応が可能である。プラスチック成形工場の特長は、24時間の充実した金型保守メンテナンス体制、シワ模様をつける金型シボ加工の内製化、各種印刷や熱処理による2次加工などにある。
JDMでは、世界各国の最先端の開発・設計力を備えたテクノロジーパートナーとの連携により、開発・設計段階から新たな企画や技術を提案し、顧客の製品化ニーズを支援している。現状、光学・センサー、通信・IoT、ロボティクス、原材料・素材、エナジーマネジメントなどの分野のテクノロジーパートナーと連携している。たとえば、ワイヤレス技術にフォーカスしたIoTサービスプロバイダーのiWOW Technology Limitedとコンソーシアムを組み、COVID-19トラッキングトークンの設計と製造をシンガポール政府から受注した。引き続きテクノロジーパートナーとのJDMにより先端技術、特殊技能へ挑戦していく方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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■事業概要
1. 事業内容
シークス<7613>は、子会社26社、関連会社14社で構成される。世界14ヶ国に製造拠点と販売拠点を約50拠点展開し、EMSを軸に電子部品などの部材調達から物流、保守まで、様々な業種において一気通貫したサービスを提供している。同社の事業は様々な角度から捉えることができ、報告セグメントとなっている地域別のほか、品種別、サービス別の分類ができる。
(1)地域別
報告セグメントとしては、経営上の意思決定や業績評価を行う基礎となる地域別業務執行責任体制に基づき、事業活動を展開している地域別に、日本、中華圏、東南アジア、欧州、米州の5つに分類している。地域別で扱っている商材に違いはあるが、品種別で主力となっている車載関連機器では、世界中で自動車メーカーのティア1(1次サプライヤー)と取り引きしているため、どのエリアでも同様の製品を供給する必要があり、納品先に近い拠点で製造している。収益面では、エリアによる違いというよりも、装置産業であるため投資の予実差異や地域の景気、顧客の好不調の影響を受ける。直近では、欧州で景気の波、中華圏では景気低迷と日本製品苦戦の影響があった。当初は日本メーカーとともに海外へ進出した同社だが、現在はグローバルビジネスオーガナイザー(Global Business Organizer)として、世界のメーカーのため、各国に存在する様々なニーズとシーズを結び付け新たな価値を提供している。この結果、海外の売上高構成比は8割程度を占めるようになった。
(2)品種別
電子化する分野であればすべてが同社のビジネスチャンスとなる。車載関連機器、産業機器、家電機器、情報機器など分野を問わず、電子機器に入っている電子部品、実装基板を提供している。具体的には、車載関連機器ではカーマルチメディア、メーター、フロントパネル、各種スイッチ、エクステリア、モーター、エンジンコントロールユニット、準ミリ波レーダー、車載カメラなどに組み込まれている。産業機器ではパワーツール用エンジン点火装置、業務用AV機器、業務用エアコン、医療機器、工業用ミシンなど、家電機器ではデジタル家電、エアコン、キッチン家電、健康器具、知育玩具など、情報機器では事務機器、プリンターなどに組み込まれている。ほかに、その他一般電子部品や、ワイヤーハーネス部材、オートバイ用部材、自動車部品、設備機械、化成品、雑貨など様々な製品も扱っている。20年前はデジタルカメラなど家電機器が主力だったが、その後EVや自動運転など自動車の電装化が急速に進展するタイミングで車載関連機器を伸ばし、現在は6割以上を占めるようになった。車載関連機器が急速に伸びたのは、同社の品質とグローバルに供給できる海外拠点が評価されたためである。なかでも品質については、自動車は耐久性と100%の良品率が求められることから、同社の不良品を排除する仕組みやトレーサビリティシステムが評価されたと考えられる。足元では産業機器においても電子化ニーズが高まってきたため、ターゲットとして重視している。収益性は用途や製品で様々で、現地納品で地場産業化することから、特に競争が激しい中国などエリアの競合状況によって異なることもある。
(3)サービス別
同社のサービスには、EMS、TRADING(部材調達代行・物流サービス)、プラスチック成形、JDM(Joint Design and Manufacturing:共同設計製造)がある。EMSが売上高の8割強を占め、祖業とも言えるTRADINGが2割弱となっている。プラスチック成形はEMSのプラスワンサービス、JDMはEMSにつながる提案サービスのため、最終的にEMSの売上高として計上される。EMSでは、グローバル拠点での高品質・高精度な技術力を生かし、あらゆる分野で使用される電装品の電子基板実装を中心にモジュールや一部完成品まで、アウトソーシングニーズに幅広く対応している。TRADINGでは、世界の拠点を生かして電子部品の調達サービスをグローバルに提供し、必要な部品はすべて顧客の購買部門に代わって調達することができる。部材調達以外のサービスメニューとして、キッティング※1やVMI/JIT※2、VA/VE※3、完成品の輸出入といった要請にも応えている。収益性は、付加価値の大きいEMSがTRADINGより高くなっている。
※1 キッティング:生産に必要な部品を生産ラインに投入できる単位にまとめて一括して納入すること。
※2 VMI/JIT(Vendor Managed Inventory/Just In Time):顧客に代わって同社が部材の在庫管理を行い、必要なときに必要な量の部材を届けること。
※3 VA/VE(Value Analysis/Value Engineering):使われる部材を良質安価な部材に置き換えたり、製品の設計開発段階から適切な部材を選定したりすることを提案し、原価低減活動をサポートすること。
プラスチック成形では、フィリピンとインドネシアにプラスチック射出成形工場を有しており、プラスチック射出成形から完成品までワンストップで対応している。複合化、モジュール化された製品を製造するとともに、顧客の横持ちコストも軽減している。成形された樹脂部品は単品または隣接のEMS工場で実装基板に組み付けられ、車載業界、医療業界、OA業界、光学機器業界、産業機器業界など広範囲な用途で利用される。樹脂原料も、一般汎用樹脂からエンジニアリングプラスチックまで多様な対応が可能である。プラスチック成形工場の特長は、24時間の充実した金型保守メンテナンス体制、シワ模様をつける金型シボ加工の内製化、各種印刷や熱処理による2次加工などにある。
JDMでは、世界各国の最先端の開発・設計力を備えたテクノロジーパートナーとの連携により、開発・設計段階から新たな企画や技術を提案し、顧客の製品化ニーズを支援している。現状、光学・センサー、通信・IoT、ロボティクス、原材料・素材、エナジーマネジメントなどの分野のテクノロジーパートナーと連携している。たとえば、ワイヤレス技術にフォーカスしたIoTサービスプロバイダーのiWOW Technology Limitedとコンソーシアムを組み、COVID-19トラッキングトークンの設計と製造をシンガポール政府から受注した。引き続きテクノロジーパートナーとのJDMにより先端技術、特殊技能へ挑戦していく方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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情報提供元: FISCO