*12:41JST アイル Research Memo(1):2027年7月期は新たな成長ステージに向けた成長投資を加速
■要約

アイル<3854>は自社開発の各種システムによって中堅・中小企業の経営力アップを支援するトータルシステムソリューション企業である。DXによる効率化支援にとどまらず、日々複雑化するバックサイド(バックオフィス、バックヤード)業務を変革する「BX※」により価値創造支援の実現を目指す。

2026年7月期の連結業績は、売上高が前期比8.3%増の20,889百万円、営業利益が同15.5%増の5,565百万円となり、増収・2ケタ増益で過去最高業績となった。2027年7月期は成長投資加速期と位置付けており、増収ながら減益予想としている。

※ バックサイドトランスフォーメーションの略。同社独自のCROSS-OVER戦略によって、バックサイドから変革を起こすことで価値創造を実現するという概念。

1. 独自のCROSS-OVER戦略によって「BX」を推進
同社は事業区分を、基幹業務管理システム「アラジンオフィス」シリーズを展開するシステムソリューション事業、クラウド型の複数ECサイト一元管理ソフト「CROSS MALL」、実店舗とECの顧客・ポイント一元管理ソフト「CROSS POINT」、バックヤードプラットフォーム「BACKYARD」などを展開するWebソリューション事業(CROSS事業、その他Web事業)としている。顧客企業のビジネスプロセス変革を支援すべく、リアル(バックオフィス)とWeb(バックヤード)の融合による独自のCROSS-OVER戦略によって「BX」を推進している。また、製販一体体制によりカスタマイズ工数削減やトラブル未然防止に取り組むことで総合的な品質・生産性向上を実現し、ストック売上拡大とともに売上総利益率上昇につなげるという好循環スパイラルを形成している。

2. 2026年7月期は増収・2ケタ増益で過去最高業績
2026年7月期の連結業績は売上高が前期比8.3%増の20,889百万円、営業利益が同15.5%増の5,565百万円、経常利益が同17.6%増の5,607百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同19.7%増の4,175百万円となった。前回予想(2026年3月6日付の修正値、売上高を据え置いて各利益を上方修正)を上回り、前期比増収・2ケタ増益、過去最高業績で着地した。売上面はシステムソリューション事業、CROSS事業とも拡大した。利益面はシステムソリューション事業の案件大型化に伴う月額保守料増加やクラウド商材導入増加、CROSS事業の安定成長によってストック売上が拡大し、システムソリューション事業の継続的なプロジェクト品質向上・生産性向上による売上総利益率上昇なども寄与した。全社ベースのストック売上高は同11.6%増の9,286百万円、ストック売上総利益は同12.7%増の5,515百万円、ストック売上総利益率は同0.6ポイント上昇して59.4%、ストック売上総利益の販管費カバー率は同2.0ポイント上昇して85.8%となった。

3. 2027年7月期は成長投資加速期と位置付けて減益予想
2027年7月期の連結業績予想は売上高が前期比9.1%増の22,800百万円、営業利益が同10.2%減の5,000百万円、経常利益が同10.1%減の5,040百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同15.1%減の3,546百万円としている。売上面はシステムソリューション事業、CROSS事業とも成長を継続して増収・過去最高だが、利益面は減益予想としている。中期経営計画で掲げている「産業プラットフォーマーへの土台を築く成長投資加速期」と位置付けて、人的資本投資、クラウド関連設備投資を含めた開発投資、AI活用を含めた事業基盤強化投資を拡大する。また名古屋支社の移転(2026年11月予定)及び東京本社の移転(2028年3月予定)に伴う関連費用(二重家賃の発生を含む)という一過性要因も影響する。

4. 新たな成長ステージに向けて成長投資を加速
同社はこれまで独自のCROSS-OVER戦略によって高成長を実現してきた。そして、これまでの強みをさらに昇華させて将来にわたる企業価値の最大化を実現するべく、新たな将来ビジョン(目指す姿)を「“産業プラットフォーマー”としてサプライチェーンの再構築を進め、ユーザーの企業力をアップさせる」とした。この考え方の下、2026年7月期~2028年7月期を成長投資加速期と位置付けて、将来の成長を実現するための事業基盤・経営基盤を構築する。2026年9月に策定した中期経営計画(2027年7月期~2029年7月期。事業環境の変化に応じて随時計画を見直すローリングプラン)では、2027年7月期と2028年7月期について前回計画(2025年9月策定)に対して売上高を上方修正した一方で利益を下方修正する形となったが、これは人的資本投資、開発投資、事業基盤強化投資を拡大するためであり、2029年7月期には成長投資の成果によって最高益更新を見込んでいる。また中長期的には成長加速により営業利益率30%の達成を目指す。

■Key Points
・中堅・中小企業の経営力アップを支援するトータルシステムソリューション企業
・2026年7月期は増収・2ケタ増益で過去最高業績
・2027年7月期は成長投資で減益予想
・新たな成長ステージに向けて成長投資を加速

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 アイル Research Memo(1):2027年7月期は新たな成長ステージに向けた成長投資を加速 」