*11:05JST アクモス Research Memo(5):2026年6月期は受注拡大が進展、2ケタ増収も利益は先行投資で減少
■アクモス<6888>の業績動向

1. 2026年6月期の業績概要
2026年6月期の連結業績は、売上高7,499百万円(前期比16.8%増)、営業利益524百万円(同10.2%減)、経常利益529百万円(同9.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益316百万円(同18.0%減)となった。

売上高が大幅に増加した主な要因は、ITソリューション事業が前期比21.2%増収となったことに加え、ITインフラ事業も同27.3%増収と好調に推移したことである。特に、システムズサービスの新規連結やプライムシステムデザインの決算期変更による増収効果が寄与した。

一方、利益面では、消防関連案件における機材費や労務費の上昇に加え、第三者保守サービスを展開するフィールドワンが営業損失を計上したことが影響した。売上総利益は増加したものの、売上総利益率は32.1%と前期比3.8ポイント低下した。また、採用活動の強化などに伴い販管費も1,881百万円(同9.1%増)まで増加した。この結果、営業利益率は前期の9.1%から7.0%へ低下した。

対照的に、受注拡大が進展している。全社受注高は8,140百万円(前期比22.6%増)、受注残高は2,952百万円(前期末比27.7%増)となり、いずれも高い水準を確保した。ITインフラ事業では大型案件の売上計上により受注残高が減少したものの、ITソリューション事業及びITサービス事業で大幅な積み上がりが見られた。

また、期初予想(売上高7,000百万円、営業利益700百万円)との比較では、売上高は期初予想を上回ったものの、営業利益は未達となった。売上高については、システムズサービスの子会社化による連結寄与やITインフラ事業の好調な推移が押し上げ要因として働いた。一方、営業利益については、消防防災ソリューションや官公庁向け大型案件における機器・資材の調達コスト上昇、人件費や採用費などの増加に加え、ITサービス事業における第三者保守サービスの収益性が想定を下回ったことが利益圧迫要因となった。

主力事業であるITソリューション事業は売上高4,878百万円(前期比21.2%増)、営業利益334百万円(同9.0%減)となった。増収の要因は、システムズサービスの子会社化やプライムシステムデザインの決算期変更に加え、消防防災事業で消防通信指令システムの新規受注が堅調に推移したことや、行政向けITソリューション各種システム案件が着実に推移したことである。一方で、消防関連の機材費上昇や人件費の増加が利益を圧迫したことから、営業利益は減益となった。なお、受注残高は、前期末比39.6%増の1,630百万円となった。

ITインフラ事業は、売上高1,332百万円(前期比27.3%増)、営業利益212百万円(同29.9%増)と大幅な増収増益を達成した。官公庁向けDX関連案件やLGWAN環境整備案件、安全保障関連分野の基盤構築案件などが業績をけん引した。受注残高は416百万円と前期末比27.2%減少したが、これは2026年6月期に受注した案件の多くが期中に完了したためである。

ITサービス事業は、売上高1,377百万円(前期比1.3%減)、営業利益45百万円(同54.3%減)となった。第三者保守サービスで受注時期の遅れや既存契約の解約が発生し、フィールドワンが買収後初めて営業損失となったことが主因である。一方で、病院情報システム維持管理サービスやBPOサービスは堅調に推移した。対照的に、受注残高は前期末比58.2%増の905百万円と好調となった。

2. 財務状況と経営指標
2026年6月期末の資産合計は前期末比446百万円増加の5,824百万円となった。主な増減要因を見ると、受取手形及び売掛金が13百万円減少した一方で、のれんが180百万円、現金及び預金が155百万円、棚卸資産が70百万円それぞれ増加したことによる。

負債合計は2,117百万円と前期末比406百万円増加した。長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)の減少57百万円や未払法人税等の減少34百万円があったが、短期借入金の増加300百万円、未払金の増加92百万円、買掛金の増加40百万円が増加要因として働いた。純資産は親会社株主に帰属する当期純利益316百万円の計上などにより、前期末比39百万円増加し3,706百万円となった。

財務安全性については、自己資本比率が59.0%と前期の62.5%から低下したものの、依然として高い水準を維持している。流動比率も234.6%と一般的な目安とされる200%を上回っていることから、財務基盤は引き続き良好な水準を維持している。収益性については、営業利益率が7.0%(前期は9.1%)、ROEも9.3%(同11.8%)となり、それぞれ前期から低下した。ただし、収益悪化の主因は人財先行投資や機材仕入増、フィールドワンの一時的な業績不振によるものであり、受注残高の積み上がりやフィールドワンの経営体制刷新などを踏まえると、今後は収益性改善が進む可能性があると見られる。

3. キャッシュ・フローの状況
2026年6月期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比134百万円増の2,929百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローは406百万円の収入となった。法人税等の支払額245百万円や棚卸資産の増加70百万円があったものの、税金等調整前当期純利益524百万円、売上債権の減少102百万円、非資金項目の減価償却費54百万円が寄与した。

投資活動によるキャッシュ・フローは199百万円の支出となった。主な要因は、システムズサービスの子会社化に伴う株式取得支出132百万円や、有形固定資産の取得46百万円である。財務活動によるキャッシュ・フローは72百万円の支出となった。配当金支払いによる資金流出247百万円があったものの、短期借入金の増加300百万円により一部が相殺された。

営業活動によるキャッシュ・フローが継続して収入超過を維持していることに加え、M&A実施後も十分な手元資金を確保していることから、財務余力は依然として高い水準にある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)



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情報提供元: FISCO
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