ニッソウ Research Memo(4):2026年7月期は第一技研の子会社化に伴う負担増で一時的に落ち込む
FISCO 2026年10月14日 11:44:00
*11:44JST ニッソウ Research Memo(4):2026年7月期は第一技研の子会社化に伴う負担増で一時的に落ち込む
■業績動向
1. 2026年7月期の業績
ニッソウ<1444>の2026年7月期の連結業績は、売上高が前期比1.8%増の5,376百万円、営業損益が42百万円の損失(前期実績は72百万円の利益)、経常損益が51百万円の損失(同69百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損益が139百万円の損失(同202百万円の利益)と、売上高は前期に続いて過去最高を更新したものの、各利益段階で損失を計上する結果となった。
セグメント別では、主力のリフォーム事業は新規顧客の増加、営業力の向上、工事単価の上昇などがプラス要因になったものの、工事受注件数が減少した。同事業の利益面では、原価率の上昇が収益を圧迫したほか、グループに加わった第一技研の取得費用の発生による販管費増が大きく響いた。第一技研のグループインに伴う取得費用32百万円は2026年7月期に計上された一方、第一技研の損益の連結開始は2027年7月期からとなるため、費用のみが先行する形となった。この結果、リフォーム事業の営業利益は前期比93.0%減の5百万円にとどまった。不動産流通事業は、不動産価格の高止まりと仕入れ競争の激化により事業採算性を確保できる物件の仕入れが難しく、営業損益が前期の10百万円の利益から3百万円の損失に転じた。不動産建設事業に関してはさらに厳しく、注文住宅の受注や建売住宅の販売がほとんど進まず、営業損失は前期の23百万円から39百万円へ損失幅が拡大した。加えて、子会社2社において実績が当初計画を大幅に下回ったため、のれん及び事業用固定資産について減損損失39百万円を特別損失に計上し、最終利益段階での損失計上につながった。
主要KPI(重要な経営指標)で2026年7月期を総括すると、主力のリフォーム事業の完成工事件数は、通期の計画11,979件に対して実績は10,407件と目標達成率は86.9%にとどまった。従業員数は計画では117人だったのに対し、確保したのは114人である。前述したように累計登録顧客数は前期末比203社増の3,457社となったものの、目標の3,520社には届かなかった。しかしながら、これまで進みが悪かった価格改定の効果が今後は大きくなるとみられ、収益の悪化は一時的なものとみることができる。
一方、不動産流通事業は、平均保有期間が計画の289日に対して335日、成約件数は21件(目標値は25件)となり、不動産建設事業は、注文住宅が2件(同2件)、分譲・建売住宅が13件(同15件)となった。
2. 財務状況と経営指標
2026年7月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比86百万円減少の3,371百万円となった。このうち流動資産は、同215百万円減の2,705百万円となった。前期の大幅な純利益増に伴う法人税等の支払いにより、現預金が大きく減少したことが影響している。固定資産は同129百万円増の665百万円となった。
負債合計は前期末比42百万円増加の1,796百万円となった。短期借入金が661百万円から359百万円に減少した一方、長期借入金が292百万円から642百万円に増加するなど、短期から長期へシフトする動きが目立った。
純資産合計は前期末比128百万円減少の1,574百万円となった。2026年7月期末の自己資本比率は前期の49.3%から46.7%へ低下したが、健全な状態を保っていると言える。
キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが296百万円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローが244百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが98百万円の収入となった。
■ 今後の見通し
2027年7月期は利益が急回復する見通し。価格改定の移行期にあり、今後は転嫁が進む
2027年7月期の業績見通しは、売上高で前期比28.5%増の6,909百万円、営業利益が235百万円(前期は42百万円の損失)、経常利益が213百万円(同51百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が146百万円(同139百万円の損失)を見込んでおり、1期で損失を解消し、いずれの利益段階でも黒字転換となる。リフォーム事業で注力する法人リフォームにおいて伸長が見込まれるなど、グループ企業全体で売上が拡大する見通しである。
法人リフォームとは、従来の不動産会社からの受注に加え、これまで請け負ってこなかった一般事業法人からのリフォーム需要を取り込むものである。受注機会の拡大を目指し、事業の柱を強化する施策と位置付けている。
加えて、物価上昇に伴う価格転嫁が先行き進みそうなことが、利益の向上につながってくる。建設業界では資材費などのコストが上昇しながらも、他の業界に比べて価格転嫁が進まなかったが、ここにきて末端の工事領域においても価格改定が受け入れられやすい状況が整ってきたという。2027年7月期の見通しでは、価格転嫁の移行期にあるとされ、本格的に転嫁されるようになるにはあと1~2年を要するとされているが、今後は価格転嫁が進むにつれて収益力が向上するものとみられる。
一方、主力のリフォーム事業はBtoBからBtoCへ広げることにより、収益基盤をより強固にしていく。また、業績の拡大と企業価値の向上に資するM&Aや人材採用についても引き続き積極的に行い、一段の成長を目指す。
さらに、2026年9月からSNSを活用した広報展開を開始した。会社の知名度の向上を図るほか、採用面においてエージェント依存から媒体広告中心の募集にシフトし、採用成果の向上を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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■業績動向
1. 2026年7月期の業績
ニッソウ<1444>の2026年7月期の連結業績は、売上高が前期比1.8%増の5,376百万円、営業損益が42百万円の損失(前期実績は72百万円の利益)、経常損益が51百万円の損失(同69百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損益が139百万円の損失(同202百万円の利益)と、売上高は前期に続いて過去最高を更新したものの、各利益段階で損失を計上する結果となった。
セグメント別では、主力のリフォーム事業は新規顧客の増加、営業力の向上、工事単価の上昇などがプラス要因になったものの、工事受注件数が減少した。同事業の利益面では、原価率の上昇が収益を圧迫したほか、グループに加わった第一技研の取得費用の発生による販管費増が大きく響いた。第一技研のグループインに伴う取得費用32百万円は2026年7月期に計上された一方、第一技研の損益の連結開始は2027年7月期からとなるため、費用のみが先行する形となった。この結果、リフォーム事業の営業利益は前期比93.0%減の5百万円にとどまった。不動産流通事業は、不動産価格の高止まりと仕入れ競争の激化により事業採算性を確保できる物件の仕入れが難しく、営業損益が前期の10百万円の利益から3百万円の損失に転じた。不動産建設事業に関してはさらに厳しく、注文住宅の受注や建売住宅の販売がほとんど進まず、営業損失は前期の23百万円から39百万円へ損失幅が拡大した。加えて、子会社2社において実績が当初計画を大幅に下回ったため、のれん及び事業用固定資産について減損損失39百万円を特別損失に計上し、最終利益段階での損失計上につながった。
主要KPI(重要な経営指標)で2026年7月期を総括すると、主力のリフォーム事業の完成工事件数は、通期の計画11,979件に対して実績は10,407件と目標達成率は86.9%にとどまった。従業員数は計画では117人だったのに対し、確保したのは114人である。前述したように累計登録顧客数は前期末比203社増の3,457社となったものの、目標の3,520社には届かなかった。しかしながら、これまで進みが悪かった価格改定の効果が今後は大きくなるとみられ、収益の悪化は一時的なものとみることができる。
一方、不動産流通事業は、平均保有期間が計画の289日に対して335日、成約件数は21件(目標値は25件)となり、不動産建設事業は、注文住宅が2件(同2件)、分譲・建売住宅が13件(同15件)となった。
2. 財務状況と経営指標
2026年7月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比86百万円減少の3,371百万円となった。このうち流動資産は、同215百万円減の2,705百万円となった。前期の大幅な純利益増に伴う法人税等の支払いにより、現預金が大きく減少したことが影響している。固定資産は同129百万円増の665百万円となった。
負債合計は前期末比42百万円増加の1,796百万円となった。短期借入金が661百万円から359百万円に減少した一方、長期借入金が292百万円から642百万円に増加するなど、短期から長期へシフトする動きが目立った。
純資産合計は前期末比128百万円減少の1,574百万円となった。2026年7月期末の自己資本比率は前期の49.3%から46.7%へ低下したが、健全な状態を保っていると言える。
キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが296百万円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローが244百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが98百万円の収入となった。
■ 今後の見通し
2027年7月期は利益が急回復する見通し。価格改定の移行期にあり、今後は転嫁が進む
2027年7月期の業績見通しは、売上高で前期比28.5%増の6,909百万円、営業利益が235百万円(前期は42百万円の損失)、経常利益が213百万円(同51百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が146百万円(同139百万円の損失)を見込んでおり、1期で損失を解消し、いずれの利益段階でも黒字転換となる。リフォーム事業で注力する法人リフォームにおいて伸長が見込まれるなど、グループ企業全体で売上が拡大する見通しである。
法人リフォームとは、従来の不動産会社からの受注に加え、これまで請け負ってこなかった一般事業法人からのリフォーム需要を取り込むものである。受注機会の拡大を目指し、事業の柱を強化する施策と位置付けている。
加えて、物価上昇に伴う価格転嫁が先行き進みそうなことが、利益の向上につながってくる。建設業界では資材費などのコストが上昇しながらも、他の業界に比べて価格転嫁が進まなかったが、ここにきて末端の工事領域においても価格改定が受け入れられやすい状況が整ってきたという。2027年7月期の見通しでは、価格転嫁の移行期にあるとされ、本格的に転嫁されるようになるにはあと1~2年を要するとされているが、今後は価格転嫁が進むにつれて収益力が向上するものとみられる。
一方、主力のリフォーム事業はBtoBからBtoCへ広げることにより、収益基盤をより強固にしていく。また、業績の拡大と企業価値の向上に資するM&Aや人材採用についても引き続き積極的に行い、一段の成長を目指す。
さらに、2026年9月からSNSを活用した広報展開を開始した。会社の知名度の向上を図るほか、採用面においてエージェント依存から媒体広告中心の募集にシフトし、採用成果の向上を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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情報提供元: FISCO