*12:01JST 網屋 Research Memo(1):売上高・各利益ともに中間期として過去最高通期予想達成の蓋然性が高まる
■要約

網屋<4258>は、サイバーセキュリティ製品やサービスを開発・製造・販売するセキュリティの総合プロバイダである。国産メーカーとして開発したログ管理製品「ALogシリーズ」、通信インフラのクラウドサービス「Network All Cloud」などを提供している。自社でサイバーセキュリティ製品を開発できる技術力が強みである。

1. 2026年12月期中間期の業績概要
2026年12月期中間期の連結業績は、売上高3,397百万円(前年同期比23.7%増)、営業利益638百万円(同31.3%増)、経常利益633百万円(同32.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益435百万円(同33.8%増)となり、売上高・各利益ともに中間期として過去最高を更新した。ランサムウェア対策や経済安全保障、サプライチェーン全体のセキュリティ強化需要を背景に、主力製品「ALog」およびSASE関連サービスへの引き合いが拡大しており、公共、金融、製造業に加え、エネルギーや防衛関連企業など新たな顧客層への浸透も進んでいる。ストック収益の成長を示すARR※(年間経常収益)は44億円台まで拡大し、前年同期比33.9%増となった。データセキュリティ事業では「ALog」のサブスクリプション契約の積み上がりが進み、ネットワークセキュリティ事業では「Verona」を中心としたSASE関連サービスが拡大するなど、両事業とも高い成長を維持している。また、収益性向上の主因は、利益率の高いサブスクリプション型製品の売上構成比上昇によるものであり、営業利益率は18.8%と高水準を維持した。通期計画に対する営業利益進捗率は53.2%に達しており、例年下期偏重の収益構造を踏まえると順調な進捗であると弊社では見ている。

※ ARRとは毎年得られる売上のことで、「年間経常収益」や「年間定期収益」とも呼ばれる。

2. 2026年12月期の業績見通し
2026年12月期の通期業績予想は、売上高7,002百万円(前期比18.0%増)、営業利益1,200百万円(同14.1%増)、経常利益1,188百万円(同13.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益850百万円(同13.3%増)としている。足元の事業環境は良好であり、サイバー攻撃の高度化に加え、SCS評価制度(サプライチェーンセキュリティ評価制度)など政府主導のセキュリティ強化施策を背景に企業の投資需要は拡大傾向にある。特に重要インフラ分野を中心に新規顧客開拓が進んでおり、市場機会は拡大している。一方で、同社は2026年12月期を「投資の年」と位置付けており、広告宣伝、人材採用、研究開発への投資を積極化している。大型展示会や自社イベントの開催による認知拡大に加え、「ALog」や「Verona」の機能強化を進めており、中長期的な競争力向上に注力している。上期実績は通期業績予想に対しておよそ50%の進捗となっており、旺盛な需要環境やストック収益の拡大を踏まえると、通期業績予想の達成可能性は高いと弊社では見ている。

3. 成長戦略
同社は2026年3月に新たな成長戦略を公表し、「売上高100億円企業」の実現を目標に掲げた。成長ドライバーとしてARRの積み上げを重視しており、2028年12月期にはARR72億円の達成を目指している。その実現に向けて、M&A、研究開発、販売網拡大を成長戦略の柱としている。研究開発面では、データセキュリティ領域においてAIを活用したSIEM(Security Information and Event Management)機能の強化を進めるほか、ネットワークセキュリティ領域ではSASE(Secure Access Service Edge)市場をターゲットとした「Verona」の機能拡充を推進している。また、NTTドコモビジネス(株)、キヤノンマーケティングジャパン<8060>、菱友システムズ<4685>などとの資本業務提携を通じて販路拡大や技術連携を進めるほか、(株)アンペールの子会社化などM&Aも活用しながら事業領域を拡大している。サブスクリプションモデルへの移行を完了し、安定した収益基盤を確立した同社は、提携戦略、M&A、AI活用による製品高度化を通じて、中長期的な成長ステージへ移行しつつあると弊社では見ている。

■Key Points
・2026年12月期中間期は売上高・各利益ともに中間期として過去最高を更新
・ARRは前年同期比33.9%増の44億円台へ拡大。サブスクリプション収益の積み上がりが継続
・既存サービスの機能強化を進めるほか、M&Aや人材投資を通じて「売上高100億円企業」を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 網屋 Research Memo(1):売上高・各利益ともに中間期として過去最高通期予想達成の蓋然性が高まる 」