*11:01JST ファンペップ Research Memo(1):皮膚潰瘍治療薬の追加第3相臨床試験結果は2027年上期に発表見込み
■要約

ファンペップ<4881>は、大阪大学大学院医学系研究科の機能性ペプチドに関する研究成果を実用化する目的で、2013年に設立されたバイオベンチャーである。独自開発した機能性ペプチドをベースとした抗体誘導ペプチド技術によって、「重症化させない医療(予防的医薬)」に貢献する医薬品の開発を目指している。

1. 花粉症ワクチン「FPP004X」の開発状況
花粉症ワクチンとして開発を進めてきた「FPP004X」の第1相臨床試験の速報結果が7月27日付で発表された。主要評価項目である安全性及び忍容性に関しては問題がなく、免疫原性(抗体産生)についても確認されたが、探索的評価項目であるスギ花粉曝露によって引き起こされるアレルギー症状の抑制については効果が認められなかった。現在詳細な分析を進めており、オプション契約締結先の塩野義製薬<4507>とも今後協議する予定だ。

2. 皮膚潰瘍治療薬「SR-0379」の開発状況
皮膚潰瘍(褥瘡、糖尿病性潰瘍、下腿潰瘍)を適応症とする機能性ペプチド「SR-0379」は追加第3相臨床試験を実施中で、目標症例数142例に対して8月17日時点で123例への治験薬投与が完了するなど、順調に進んでいる。主要評価項目は外科的処置(縫合、植皮、有茎皮弁)までの日数となる。前回実施した第3相臨床試験で有効性が確認された特定患者(潰瘍サイズが36cm2未満)を対象にしているため、成功確率は高いと弊社では見ている。2027年上期にも試験結果が判明する見通しで、有効性が再現できれば承認申請し、2028年内の上市を目指すスケジュールが検討されるものと弊社では推察している。国内の対象患者数は約100万人で、今後も高齢化社会の進展に伴い患者数の増加が見込まれる。売上ポテンシャルとしては国内で数十億円規模と試算され、ライセンス契約先の塩野義製薬からロイヤリティ収入を得ることになり、海外での開発を進める可能性も出てくる。

3. 今後の開発戦略
抗体誘導ペプチドの開発パイプラインについては、「FPP004X」の臨床試験結果も踏まえ、今一度、前臨床試験で入念にデータを収集するなど慎重に進める方針とした。対象は花粉症や脂質異常症などで、重症化を防ぐための予防的医薬品の開発を進め、先行者としてのポジションを確立する考えだ。また、有望な開発候補品を外部から導入して臨床開発を進めることも検討している。さらに、次世代創薬技術の開発に向けたアライアンス戦略も推進しており、直近では2026年6月にCrafton Biotechnology(株)との間で抗体誘導ペプチド技術を活用した治療用mRNAワクチンに関する共同研究契約を締結したほか、artience<4634>及びトーヨーケム(株)との間で、抗体誘導ペプチドの経皮吸収型製剤開発に関する共同研究契約を締結した。

4. 業績動向
2026年12月期中間期の連結業績は、事業収益で1百万円(前年同期は0.05百万円)、営業損失で538百万円(同909百万円の損失)となった。「FPP004X」の臨床試験費用など研究開発費の減少が、営業損失の縮小要因となった。2026年12月期の業績予想は非開示だが、研究開発費は前期比496百万円減少の800百万円、販管費は同52百万円減少の300百万円程度を見込んでいる。2026年6月末の現金及び預金は1,894百万円で当面の事業活動資金は確保しているが、今後も研究開発ステージが続くことを考えれば、エクイティファイナンスで資金調達を進めていくことになりそうだ。

■Key Points
・花粉症ワクチンは第1相臨床試験結果を受けて今後の開発方針を検討中
・皮膚潰瘍治療薬の追加第3相臨床試験結果は2027年上期に発表見込み
・研究開発ステージが続くため、今後も資金調達を検討していく方針
・重症化に至る前の予防的医薬品の開発に取り組み、成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 ファンペップ Research Memo(1):皮膚潰瘍治療薬の追加第3相臨床試験結果は2027年上期に発表見込み 」