*12:42JST インテリクス Research Memo(2):リノベーション事業とソリューション事業を展開する不動産会社(1)
■インテリックスホールディングス<463A>の事業概要と市場動向

1. 事業内容
同社は中古マンションを戸別に仕入れ、リノベーションした後に販売するリノベーション事業分野とソリューション事業分野の2つの事業セグメントで開示している。2022年5月期以降の売上総利益構成比の推移を見ると、リノベーション事業分野が全体の6割前後の水準で推移している。なお、同社はインテリックスや(株)インテリックス空間設計などを子会社とする持株会社として2025年12月に設立され、インテリックスに代わって東証スタンダード市場に株式上場した。

(1) リノベーション事業分野
リノベーション事業分野には、インテリックスで展開するリノヴェックスマンションや戸建の再生販売・賃貸事業、インテリックス空間設計による内装工事の企画・設計・施工事業、(株)FLIEによる不動産売買プラットフォーム及びDX事業などが含まれる。

売上高の約9割を占めるリノヴェックスマンション事業では、不動産会社の仲介等により個人から仕入れた物件に対して、インテリックス空間設計で最適なリノベーションプランを作成、内装工事を施したうえで不動産仲介会社等を通じて販売する(直近はFLIEが運営する不動産売買プラットフォーム「FLIE(フリエ)」を通じた販売も行っている)。物件を仕入れてから販売までの事業期間を経営管理指標として重視しており、150日を目安として期間が長くなるようであれば販売価格を調整して早期に売り切ることを基本方針としている。販売在庫の滞留期間が長期化すれば、収益性が低下するリスクが上昇するためだ。売上総利益率では12%超を適正水準として事業運営を行っている。

リノヴェックスマンションの特徴は、物件の状態に応じて、間取りの変更や目に見えない給排水管の交換等に至るまで老朽化・陳腐化した箇所を更新し現在のライフスタイルに合わせたリノベーションを施すことで、商品価値を高めた点にあり、内装工事に関してはインテリックス空間設計から協力会社に外注している。また、販売後は最長20年の「アフターサービス保証」を付し、購入時に抱える不安要素(永住性や資産性等)を払拭しており、主に平均的なファミリー層をターゲットとした商品開発を行っている。

販売エリアは首都圏及び地方主要都市(札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡)で展開しており、エリア別販売件数構成比では、首都圏で4割強を占めている。全国の分譲マンションのストック数のうち、首都圏の占める比率は5割程度であり、バランスの取れた販売構成比となっている。売上ベースでは中古マンション市場の拡大並びに販売価格の上昇を背景に、首都圏の構成比が2022年5月期の約5割から2026年5月期は約6割に上昇しており、なかでも平均販売単価の高い東京23区内については仕入を強化したこともあり、2022年5月期の約2割から2026年5月期は約4割まで上昇した。

また、2026年5月期における中古マンション市場の拠点別販売シェアは、首都圏が1%弱、地方エリアは各拠点でバラつきがあるものの全体では2%強となっている。これは市場全体が横ばいで推移したとしても、シェア拡大による成長余地が大きいことを意味している。なお、同社の累計販売件数は2026年5月末時点で29,412件となっている。また、リノベーション協議会が定める品質基準を満たす「R住宅※」の累計発行件数ベースでは21.6%のトップシェアを占めている。

※ 「適合リノベーション住宅」とも呼ばれ、(一社)リノベーション協議会が定める、優良なリノベーション品質基準(検査・工事・保証)を満たす住宅に付与される標章。2026年3月末の累計発行件数は87,964件。

インテリックス空間設計で展開しているリノベーション内装事業は、リノヴェックスマンションの設計・内装工事のほか、リノベーションマンションを販売する同業他社や一般個人からの設計・施工も請負っている。マンション内装工事に関してはノウハウが必要なため大手不動産販売会社を含めた同業他社からの引き合いが多く、最近では不動産ファンド運営会社が保有物件のバリューアップを目的に、同社に発注するケースも増えている。

FLIEではBtoBビジネスとして、2023年10月より不動産事業者向けDX支援サービス「FLIE ONE」の提供を開始した。主要サービスとして、物件確認から内見予約(24時間受付可能)、資料請求、価格変更までをWeb上で一元管理できる「フリエ de 物確」、物理鍵が不要で鍵の受け渡しに関連するリスクが低減するセルフ内見システム「Smaview(スマビュー)」、物件清掃や写真/動画撮影などの販促支援サービスなどがあり、大手の不動産仲介会社で導入が進んでいる。「Smaview」に関してはベンチャー企業との共同開発により、スマート入退室管理サービスとして物件内見だけでなく、マンスリーマンションや民泊物件、施工中物件、オフィスビル等での導入も可能となっている。

また、BtoCビジネスとして不動産売買プラットフォーム「FLIE」を2021年より運営している。売主直販サイトで仲介手数料(取引物件価格の約3%)が掛からず、成約した場合に売主から徴収する成約手数料が主な収入源となっている。同サイトの掲載物件数は自社及び他社物件合わせて2026年7月時点で約2,800件まで拡大しており、中古リノベーション不動産売買専門サイトとしては業界最大級となる。「FLIE」での販売実績は月間数十件ペースで徐々に増加している。自社物件の掲載に関しては首都圏からスタートし、2025年以降は、大阪や札幌、福岡などにも支店を開設して物件の取り扱いを開始している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 インテリクス Research Memo(2):リノベーション事業とソリューション事業を展開する不動産会社(1)