ムービン Research Memo(7):2026年12月期の売上高は前期比68.4%増の6,400百万円を見込む
FISCO 2026年09月15日 12:47:00
*12:47JST ムービン Research Memo(7):2026年12月期の売上高は前期比68.4%増の6,400百万円を見込む
■今後の見通し
● 2026年12月期業績見通し
ムービン・ストラテジック・キャリア<421A>の2026年12月期通期の連結業績は、売上高が前期比68.4%増の6,400百万円、営業利益が同71.8%増の3,030百万円、経常利益が同73.0%増の3,039百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同72.3%増の1,987百万円と、大幅な増収増益を見込んでいる。
通期予想は、2026年2月の期初予想公表後、同年5月の第1四半期決算時、8月の中間決算時と2度にわたり上方修正された。修正の背景として、1) 労働人口の減少などによる構造的な人手不足や雇用の流動化を背景に、国内人材ビジネス市場の採用需要が高く、市場拡大が続いていること、2) AIコンサルティング需要の拡大が継続し、ハイエンド人材の紹介需要の追い風となっていること、3) 2026年3月に公表した中期経営計画に基づくCA採用強化などの施策効果が計画を上回るペースで発現していること、4) 転職支援1件当たりの成約単価が想定以上に上昇し、成約件数も増加していることを挙げている。予想営業利益率は47.3%と、前期の46.4%から0.9ポイント上昇する見通しである。
■中長期の成長戦略
2028年12月期に売上高100億円、営業利益46億円を目指す。CA数の拡大が成長のけん引
1. 中期経営計画
同社は2026年3月、2028年12月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を公表した。スローガンとして「プロフェッショナル人材の生涯キャリアハブとなる」を掲げ、2028年12月期に売上高10,000百万円、営業利益4,600百万円を目標とする。初年度となる2026年12月期の計画は売上高5,000百万円、営業利益2,290百万円であったが、AIコンサルティング需要の拡大などを背景に2度の上方修正を行い、業績予想は売上高6,400百万円、営業利益3,030百万円となっている。なお、これらの目標はM&Aを含まないオーガニック成長のみを前提としたものであり、M&Aによる成長は上積みとして位置付けている。生産性については、CA1人当たり月間生産性を2025年12月期実績の357万円/月と同水準で2028年12月期まで維持する前提であり、営業利益率についても現行水準を維持する方針である。
2. 成長戦略
同社は、既に効果が出ている施策を強化して継続することを基本方針としている。CA数と売上金額には明確な比例関係があり、期末のCA数が翌期以降の売上成長を左右することから、CA数を2026年12月期末150人、2027年12月期末200人超(2025年12月期末比約2倍)、2028年12月期末260人超へ拡大する計画である。2026年6月末時点で126人まで増加しており、採用・育成計画は順調に推移している。
(1) 重点施策
重点施策は3点である。1つ目はクライアントシフトのさらなる推進で、積極採用中の顧客への集中的な深耕営業に加え、将来の注力顧客候補の発掘に取り組む。2つ目は求職者集客の強化で、自社SEOチームの体制強化、「コンシェルジュデスク」を通じたデータベースマーケティングの強化・人員拡大を進める。フォロー対象人数には現行の5倍超まで拡大余地があるとして、積極的に投資している。3つ目はAIを活用したCAの早期戦力化で、求人マッチングへのAI導入などにより、新人CAの立ち上がり期間の短縮を図る。
(2) 段階的な事業展開
同社では、3フェーズに分けた事業展開を想定している。フェーズ1では、CA採用と自社データベースマーケティングの強化により事業基盤を拡大する。フェーズ2では、M&Aを通じて集客・転職支援機能を強化するとともに、コンサルティング領域以外の事業会社のCxOポジションなどへ対象領域を広げ、「知の循環」を加速する。フェーズ3では、これらの機能を統合し、プロフェッショナル人材の生涯キャリアハブとなるプラットフォームの構築を目指す。
M&Aの候補先としては、求職者データベースの拡大に寄与する転職プラットフォームやアフィリエイトサイト運営企業に加え、金融や製造業など特定領域に強みを持つ人材紹介会社を想定している。投資規模や実施時期については、案件の内容に応じて柔軟に対応する方針である。
なお、上場時に調達した公募増資手取金696百万円は、全額をCAの新規採用費及び人件費に充当する計画である。リスク対応では、競争激化に対して採用動向の情報収集とクライアントとのリレーション強化・介在価値の向上、特定取引先への依存に対して顧客の多角化とポートフォリオの機動的な入れ替え、登録者数の減少に対してホームページ・SNSでの情報発信や過去登録者へのCRM活動を強化する方針である。
これらの施策により、独自の求職者データベースを拡大し、プロフェッショナル人材に対する複数回の転職支援などを通して継続的な顧客接点を構築し、登録者1人当たりのLTVの最大化を目指す。
■株主還元策
成長投資を優先、余剰資金発生後の直接還元を視野
同社は、既存の人材紹介事業の成長に資するCA採用・集客機能の強化やM&A、生涯キャリアハブ構想の実現に向けた事業機会への投資、AI対応システムへの投資などによる企業価値の向上を、最大の株主還元と位置付けている。適切な投資機会がなくなった段階で、余剰資金の株主への還元を検討する方針である。
2025年12月期の年間配当は無配であり、2026年12月期についても期末配当の予想額は未定としている。2025年10月に上場したこともあり、当面は人材を中心とした成長投資フェーズが続く見通しである。
余剰資金の直接還元の手段としては、自社株買い、配当、デジタルギフトなどを挙げている。ただし優先度としては利益成長に伴う企業価値向上を上位に置いており、直接還元の時期や手法は現時点で決定していない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉俊輔)
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■今後の見通し
● 2026年12月期業績見通し
ムービン・ストラテジック・キャリア<421A>の2026年12月期通期の連結業績は、売上高が前期比68.4%増の6,400百万円、営業利益が同71.8%増の3,030百万円、経常利益が同73.0%増の3,039百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同72.3%増の1,987百万円と、大幅な増収増益を見込んでいる。
通期予想は、2026年2月の期初予想公表後、同年5月の第1四半期決算時、8月の中間決算時と2度にわたり上方修正された。修正の背景として、1) 労働人口の減少などによる構造的な人手不足や雇用の流動化を背景に、国内人材ビジネス市場の採用需要が高く、市場拡大が続いていること、2) AIコンサルティング需要の拡大が継続し、ハイエンド人材の紹介需要の追い風となっていること、3) 2026年3月に公表した中期経営計画に基づくCA採用強化などの施策効果が計画を上回るペースで発現していること、4) 転職支援1件当たりの成約単価が想定以上に上昇し、成約件数も増加していることを挙げている。予想営業利益率は47.3%と、前期の46.4%から0.9ポイント上昇する見通しである。
■中長期の成長戦略
2028年12月期に売上高100億円、営業利益46億円を目指す。CA数の拡大が成長のけん引
1. 中期経営計画
同社は2026年3月、2028年12月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を公表した。スローガンとして「プロフェッショナル人材の生涯キャリアハブとなる」を掲げ、2028年12月期に売上高10,000百万円、営業利益4,600百万円を目標とする。初年度となる2026年12月期の計画は売上高5,000百万円、営業利益2,290百万円であったが、AIコンサルティング需要の拡大などを背景に2度の上方修正を行い、業績予想は売上高6,400百万円、営業利益3,030百万円となっている。なお、これらの目標はM&Aを含まないオーガニック成長のみを前提としたものであり、M&Aによる成長は上積みとして位置付けている。生産性については、CA1人当たり月間生産性を2025年12月期実績の357万円/月と同水準で2028年12月期まで維持する前提であり、営業利益率についても現行水準を維持する方針である。
2. 成長戦略
同社は、既に効果が出ている施策を強化して継続することを基本方針としている。CA数と売上金額には明確な比例関係があり、期末のCA数が翌期以降の売上成長を左右することから、CA数を2026年12月期末150人、2027年12月期末200人超(2025年12月期末比約2倍)、2028年12月期末260人超へ拡大する計画である。2026年6月末時点で126人まで増加しており、採用・育成計画は順調に推移している。
(1) 重点施策
重点施策は3点である。1つ目はクライアントシフトのさらなる推進で、積極採用中の顧客への集中的な深耕営業に加え、将来の注力顧客候補の発掘に取り組む。2つ目は求職者集客の強化で、自社SEOチームの体制強化、「コンシェルジュデスク」を通じたデータベースマーケティングの強化・人員拡大を進める。フォロー対象人数には現行の5倍超まで拡大余地があるとして、積極的に投資している。3つ目はAIを活用したCAの早期戦力化で、求人マッチングへのAI導入などにより、新人CAの立ち上がり期間の短縮を図る。
(2) 段階的な事業展開
同社では、3フェーズに分けた事業展開を想定している。フェーズ1では、CA採用と自社データベースマーケティングの強化により事業基盤を拡大する。フェーズ2では、M&Aを通じて集客・転職支援機能を強化するとともに、コンサルティング領域以外の事業会社のCxOポジションなどへ対象領域を広げ、「知の循環」を加速する。フェーズ3では、これらの機能を統合し、プロフェッショナル人材の生涯キャリアハブとなるプラットフォームの構築を目指す。
M&Aの候補先としては、求職者データベースの拡大に寄与する転職プラットフォームやアフィリエイトサイト運営企業に加え、金融や製造業など特定領域に強みを持つ人材紹介会社を想定している。投資規模や実施時期については、案件の内容に応じて柔軟に対応する方針である。
なお、上場時に調達した公募増資手取金696百万円は、全額をCAの新規採用費及び人件費に充当する計画である。リスク対応では、競争激化に対して採用動向の情報収集とクライアントとのリレーション強化・介在価値の向上、特定取引先への依存に対して顧客の多角化とポートフォリオの機動的な入れ替え、登録者数の減少に対してホームページ・SNSでの情報発信や過去登録者へのCRM活動を強化する方針である。
これらの施策により、独自の求職者データベースを拡大し、プロフェッショナル人材に対する複数回の転職支援などを通して継続的な顧客接点を構築し、登録者1人当たりのLTVの最大化を目指す。
■株主還元策
成長投資を優先、余剰資金発生後の直接還元を視野
同社は、既存の人材紹介事業の成長に資するCA採用・集客機能の強化やM&A、生涯キャリアハブ構想の実現に向けた事業機会への投資、AI対応システムへの投資などによる企業価値の向上を、最大の株主還元と位置付けている。適切な投資機会がなくなった段階で、余剰資金の株主への還元を検討する方針である。
2025年12月期の年間配当は無配であり、2026年12月期についても期末配当の予想額は未定としている。2025年10月に上場したこともあり、当面は人材を中心とした成長投資フェーズが続く見通しである。
余剰資金の直接還元の手段としては、自社株買い、配当、デジタルギフトなどを挙げている。ただし優先度としては利益成長に伴う企業価値向上を上位に置いており、直接還元の時期や手法は現時点で決定していない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉俊輔)
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情報提供元: FISCO