システムサポート Research Memo(5):2026年6月期は過去最高業績を連続更新(1)
FISCO 2026年09月11日 11:35:00
*11:35JST システムサポート Research Memo(5):2026年6月期は過去最高業績を連続更新(1)
■業績動向
1. 2026年6月期の業績概要
システムサポートホールディングス<4396>の2026年6月期の連結業績は、売上高で前期比15.4%増の31,091百万円、営業利益で同33.7%増の2,966百万円、経常利益で同32.1%増の2,965百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同28.5%増の1,872百万円となり、過去最高業績を連続更新した。また、2026年2月に上方修正した会社計画に対しては、クラウドインテグレーション事業において大口顧客のリセール解約があった影響等により、売上高は10億円程度下振れたものの、高付加価値領域の拡大と生産性向上の効果により、段階利益はいずれも計画を上回って着地した。
情報サービス業界の市場環境は、物価上昇や地政学リスクの高まりなど景気の先行き不透明感が続くなかでも、企業の競争力強化や業務効率化を目的としたIT投資が堅調に推移し、特にAI活用を前提としたクラウド基盤の整備やデータ活用、既存システムの刷新といったデジタル変革に向けた投資需要が拡大した。こうしたなかで、主力のクラウドインテグレーション事業の高成長が続いたほか、システムインテグレーション事業やプロダクト事業も2ケタ増収と好調に推移した。
利益面では、増収効果に加えてシステムインテグレーション事業において高採算案件が増加したこと、並びに社内でのAI活用による生産性向上の効果もあって売上原価率が前期の72.1%から70.6%に低下し、売上総利益は同21.7%増の9,131百万円となった。販管費は人件費の増加や新規連結したエコー・システムの費用が上乗せされたこともあって同16.6%増となったが、売上総利益の増加で吸収し営業利益率は前期の8.2%から9.5%に上昇した。事業セグメント別では、システムインテグレーション事業とプロダクト事業が上振れ、その他の事業セグメントはおおむね計画どおりに着地したようだ。なお、エコー・システムを新規連結したことによる連結業績への影響額は、売上高で約16.2億円、営業利益で約1.4億円の増加要因になったと見られる。
クラウドインテグレーション事業は20%台の増収増益に
2. 事業セグメント別動向
(1) クラウドインテグレーション事業
クラウドインテグレーション事業の売上高は前期比20.7%増の11,733百万円、営業利益は同22.1%増の1,591百万円と大幅な増収増益が続いた。売上総利益も増収効果で同22.9%増の3,502百万円、売上総利益率で同0.5ポイント上昇の29.8%となった。AI活用を前提とした企業のIT投資需要が拡大するなかで、エンジニアの採用・育成を強化し、受注能力の拡大に取り組んだことが高成長につながった。
主力サービスのServiceNow関連は、売上高が前期比25.5%増の3,754百万円と高成長が続き、売上総利益率は前期の46.2%から46.7%に上昇した。既存顧客から利用サービス拡大のための追加発注が続いているほか、ServiceNowからの新規紹介案件も増加した。また、AI活用ニーズの高まりを背景に、プロジェクトの上流工程にあたるコンサルティング領域から手掛ける案件が増えたことも売上総利益率の上昇につながったと見られる。ServiceNowが提供する幅広い製品やソリューションに対応できる体制を構築し、数多くのプロジェクトを手掛けてきたことで、多様なニーズに応えるだけの技術力や知見を蓄積していることが受注継続率の高さや高成長につながっている。
ServiceNow関連以外では、AWS関連が同6.4%減の2,960百万円、Google Cloud関連が同63.4%増の2,032百万円、Microsoft Azure関連が同13.1%増の1,153百万円、その他が同40.9%増の1,833百万円となった。AWS関連が唯一減収となったが、リセールの大口顧客1社が顧客事由により解約となったことが影響した。解約影響が無ければAWS関連も2ケタ成長となっていたと見られる。なお、同顧客とのクラウドインテグレーション構築プロジェクトに関する取引は継続している。Google Cloud関連については、生成AI関連ソリューションの引き合いが増加したほか、リセール収入が増加したことも増収要因となった。大企業などではITシステムの構築にあたってリスク軽減の観点から複数のクラウドサービスを利用するケースが増えており、マルチクラウドに対応できるサービス提供体制の構築を進めてきたこと、またインフラ以外のレイヤー(アプリケーション開発、ERP、データベース構築等)の技術者も多く抱えており、企業のITシステム全体の刷新等の案件を一貫して受注できることも強みとなっており、高成長を持続している一因になっている。
その他の売上高も、Oracle Cloud Infrastructure関連だけでなく、Snowflake※1やCelonis※2、CyberArk※3関連の売上が増加したほか、各種クラウド関連アプリの開発収入も増加した。なお、クラウド基盤移行後のリセール収入(主にAWS)は、大口顧客解約の影響があったものの顧客数や顧客当たりデータ利用量の増加により同8.8%増の3,551百万円となり、安定収益基盤として収益増に寄与した。
※1 米国Snowflakeが開発・提供する「Snowflake」は、部署をまたぐデータや異なるクラウド環境のデータなどすべてのデータのハブとなり、データの一元管理が可能なクラウドベースのSaaS型データプラットフォームである。高いセキュリティ性と高速処理スピードが特徴で、データ分析ツールやBIツールとシームレスに連携するよう設計されている。AI・ビッグデータ分析などを行う企業向けを中心に急速に普及しており、2022年より取り扱いを開始した。
※2 ドイツCelonisが開発・提供する「Celonis」は、クラウド型のプロセスマイニングプラットフォームであり、業務プロセスの分析・改善・モニタリングをAIも活用しながら行う。2022年より取り扱いを開始した。
※3 イスラエルCyberArk Software Ltd.が開発・提供する情報セキュリティソリューションで2021年より取り扱いを開始した。特権ID管理システムやクラウド型IDアクセス管理、エンドポイント特権ID管理ソリューションなどがある。
(2) システムインテグレーション事業
システムインテグレーション事業の売上高は前期比13.5%増の15,164百万円、営業利益は同94.2%増の872百万円となった。高収益案件の拡大とAI活用による生産性向上により、売上総利益率が同2.8ポイント上昇の26.5%、売上総利益も同27.0%増の4,019百万円となった。なおエコー・システムの連結化により、売上高で約15億円、売上総利益で約4.2億円、営業利益で約1.2億円の増収増益要因となっており、既存事業ベースだけで見ると売上高は約2%増にとどまったが、利益率の改善により売上総利益は約14%増、営業利益は約73%増と2ケタ増益になったと見られる。
売上高の内訳を見ると、ITシステム開発が前期比25.3%増の9,397百万円となった。エコー・システムの連結効果に加えて、既存事業も約5%増と堅調に推移した。システム更新の大型案件が寄与したほか、比較的採算の良い案件が増加し、利益率の改善に寄与した。そのほか、ERP関連が同3.7%減の3,795百万円、データベース(DB)関連が同2.7%増の1,972百万円とそれぞれ伸び悩んだが、クラウドインテグレーション事業にエンジニアをシフトした影響等によるもので、おおむね計画どおりに着地した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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■業績動向
1. 2026年6月期の業績概要
システムサポートホールディングス<4396>の2026年6月期の連結業績は、売上高で前期比15.4%増の31,091百万円、営業利益で同33.7%増の2,966百万円、経常利益で同32.1%増の2,965百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同28.5%増の1,872百万円となり、過去最高業績を連続更新した。また、2026年2月に上方修正した会社計画に対しては、クラウドインテグレーション事業において大口顧客のリセール解約があった影響等により、売上高は10億円程度下振れたものの、高付加価値領域の拡大と生産性向上の効果により、段階利益はいずれも計画を上回って着地した。
情報サービス業界の市場環境は、物価上昇や地政学リスクの高まりなど景気の先行き不透明感が続くなかでも、企業の競争力強化や業務効率化を目的としたIT投資が堅調に推移し、特にAI活用を前提としたクラウド基盤の整備やデータ活用、既存システムの刷新といったデジタル変革に向けた投資需要が拡大した。こうしたなかで、主力のクラウドインテグレーション事業の高成長が続いたほか、システムインテグレーション事業やプロダクト事業も2ケタ増収と好調に推移した。
利益面では、増収効果に加えてシステムインテグレーション事業において高採算案件が増加したこと、並びに社内でのAI活用による生産性向上の効果もあって売上原価率が前期の72.1%から70.6%に低下し、売上総利益は同21.7%増の9,131百万円となった。販管費は人件費の増加や新規連結したエコー・システムの費用が上乗せされたこともあって同16.6%増となったが、売上総利益の増加で吸収し営業利益率は前期の8.2%から9.5%に上昇した。事業セグメント別では、システムインテグレーション事業とプロダクト事業が上振れ、その他の事業セグメントはおおむね計画どおりに着地したようだ。なお、エコー・システムを新規連結したことによる連結業績への影響額は、売上高で約16.2億円、営業利益で約1.4億円の増加要因になったと見られる。
クラウドインテグレーション事業は20%台の増収増益に
2. 事業セグメント別動向
(1) クラウドインテグレーション事業
クラウドインテグレーション事業の売上高は前期比20.7%増の11,733百万円、営業利益は同22.1%増の1,591百万円と大幅な増収増益が続いた。売上総利益も増収効果で同22.9%増の3,502百万円、売上総利益率で同0.5ポイント上昇の29.8%となった。AI活用を前提とした企業のIT投資需要が拡大するなかで、エンジニアの採用・育成を強化し、受注能力の拡大に取り組んだことが高成長につながった。
主力サービスのServiceNow関連は、売上高が前期比25.5%増の3,754百万円と高成長が続き、売上総利益率は前期の46.2%から46.7%に上昇した。既存顧客から利用サービス拡大のための追加発注が続いているほか、ServiceNowからの新規紹介案件も増加した。また、AI活用ニーズの高まりを背景に、プロジェクトの上流工程にあたるコンサルティング領域から手掛ける案件が増えたことも売上総利益率の上昇につながったと見られる。ServiceNowが提供する幅広い製品やソリューションに対応できる体制を構築し、数多くのプロジェクトを手掛けてきたことで、多様なニーズに応えるだけの技術力や知見を蓄積していることが受注継続率の高さや高成長につながっている。
ServiceNow関連以外では、AWS関連が同6.4%減の2,960百万円、Google Cloud関連が同63.4%増の2,032百万円、Microsoft Azure関連が同13.1%増の1,153百万円、その他が同40.9%増の1,833百万円となった。AWS関連が唯一減収となったが、リセールの大口顧客1社が顧客事由により解約となったことが影響した。解約影響が無ければAWS関連も2ケタ成長となっていたと見られる。なお、同顧客とのクラウドインテグレーション構築プロジェクトに関する取引は継続している。Google Cloud関連については、生成AI関連ソリューションの引き合いが増加したほか、リセール収入が増加したことも増収要因となった。大企業などではITシステムの構築にあたってリスク軽減の観点から複数のクラウドサービスを利用するケースが増えており、マルチクラウドに対応できるサービス提供体制の構築を進めてきたこと、またインフラ以外のレイヤー(アプリケーション開発、ERP、データベース構築等)の技術者も多く抱えており、企業のITシステム全体の刷新等の案件を一貫して受注できることも強みとなっており、高成長を持続している一因になっている。
その他の売上高も、Oracle Cloud Infrastructure関連だけでなく、Snowflake※1やCelonis※2、CyberArk※3関連の売上が増加したほか、各種クラウド関連アプリの開発収入も増加した。なお、クラウド基盤移行後のリセール収入(主にAWS)は、大口顧客解約の影響があったものの顧客数や顧客当たりデータ利用量の増加により同8.8%増の3,551百万円となり、安定収益基盤として収益増に寄与した。
※1 米国Snowflakeが開発・提供する「Snowflake」は、部署をまたぐデータや異なるクラウド環境のデータなどすべてのデータのハブとなり、データの一元管理が可能なクラウドベースのSaaS型データプラットフォームである。高いセキュリティ性と高速処理スピードが特徴で、データ分析ツールやBIツールとシームレスに連携するよう設計されている。AI・ビッグデータ分析などを行う企業向けを中心に急速に普及しており、2022年より取り扱いを開始した。
※2 ドイツCelonisが開発・提供する「Celonis」は、クラウド型のプロセスマイニングプラットフォームであり、業務プロセスの分析・改善・モニタリングをAIも活用しながら行う。2022年より取り扱いを開始した。
※3 イスラエルCyberArk Software Ltd.が開発・提供する情報セキュリティソリューションで2021年より取り扱いを開始した。特権ID管理システムやクラウド型IDアクセス管理、エンドポイント特権ID管理ソリューションなどがある。
(2) システムインテグレーション事業
システムインテグレーション事業の売上高は前期比13.5%増の15,164百万円、営業利益は同94.2%増の872百万円となった。高収益案件の拡大とAI活用による生産性向上により、売上総利益率が同2.8ポイント上昇の26.5%、売上総利益も同27.0%増の4,019百万円となった。なおエコー・システムの連結化により、売上高で約15億円、売上総利益で約4.2億円、営業利益で約1.2億円の増収増益要因となっており、既存事業ベースだけで見ると売上高は約2%増にとどまったが、利益率の改善により売上総利益は約14%増、営業利益は約73%増と2ケタ増益になったと見られる。
売上高の内訳を見ると、ITシステム開発が前期比25.3%増の9,397百万円となった。エコー・システムの連結効果に加えて、既存事業も約5%増と堅調に推移した。システム更新の大型案件が寄与したほか、比較的採算の良い案件が増加し、利益率の改善に寄与した。そのほか、ERP関連が同3.7%減の3,795百万円、データベース(DB)関連が同2.7%増の1,972百万円とそれぞれ伸び悩んだが、クラウドインテグレーション事業にエンジニアをシフトした影響等によるもので、おおむね計画どおりに着地した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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情報提供元: FISCO