*12:03JST さくらKCS Research Memo(3):金融・公共・産業向けに、情報サービスの提供やシステム機器販売を行う
■事業内容

1. 事業の概要
さくらケーシーエス<4761>は、金融機関・地方自治体・民間企業を主要顧客として、情報化の企画段階からシステム構築、システム機器販売、システム運用管理までの総合的なITサービスを提供している。

報告セグメントは、組織上の事業部門として「金融関連部門」「公共関連部門」「産業関連部門」の3区分としている。金融関連部門は金融機関向け、公共関連部門は地方公共団体向け、産業関連部門は一般事業法人向けの事業を担っており、顧客属性ごとに営業体制及びサービス提供体制を構築している。なお、2026年3月末時点の連結従業員数1,056人(単体961人)のセグメント別内訳は、金融226人(182人)、公共271人(248人)、産業396人(379人)、全社共通163人(152人)となっている。

2026年3月期におけるセグメント別の売上高構成比(営業利益構成比※)は、金融関連部門27.5%(29.6%)、公共関連部門30.0%(28.4%)、産業関連部門42.5%(42.0%)となった。特定部門への依存度は低く、バランスの取れた収益構造を形成している点が特徴となる。

※ 営業利益構成比は、セグメント営業利益の単純合計に占める割合で算出している。

2. 顧客基盤と主要取引先
同社の顧客基盤は、金融機関、製造業、流通業、サービス業、地方自治体、学校法人など多様な業種・業態により構成される。

金融分野では、三井住友フィナンシャルグループ及び三井住友銀行を中心に、(株)日本総合研究所、三井住友ファイナンス&リース(株)のほか、地方銀行や信用金庫とも取引を行う。自治体向けでは、兵庫県内の自治体を中心に、全国の大学も顧客に含まれている。民間企業向けでは、化学メーカーなどの製造業をはじめ、流通業やサービス業などの非製造業にもサービスを提供している。

顧客層は幅広いものの、売上高ベースではSMBCグループ及び富士通グループが主要な取引先となっている。2026年3月期において、三井住友銀行(日本総合研究所・日本総研情報サービス含む)向け売上高は全体の22.2%、富士通(富士通Japan含む)向けは15.3%を占めた。SMBCグループの取引は主として金融関連部門が担う。一方、富士通グループとは、金融関連部門、公共関連部門、産業関連部門のすべての部門で取引を行っている。

主要取引先2社向け売上高の推移を見ると、三井住友銀行(日本総合研究所・日本総研情報サービス含む)向けは2023年3月期の4,133百万円をボトムに増加へ転じ、2026年3月期にはSMBCグループの情報化投資拡大を背景に5,280百万円(前期比19.5%増)まで拡大した。過去6期で最高水準を示しており、中期的にも拡大基調が継続する可能性が高い。富士通(富士通Japan含む)向けは2026年3月期に3,631百万円(同3.4%減)となった。直近2期はおおむね横ばいで推移しており、当面は現行水準での推移が続くと見られる。

なお、売上高上位10社が全売上高に占めるウエイトは約5割に達し、上位20社では約6割を占めている。

3. 品目別のサービス内容
同社は各セグメントで顧客属性は異なるものの、提供するサービスは共通しているため、事業内容は品目別にも整理できる。品目は「情報サービス」と「システム機器販売」に大別される。

2026年3月期の品目別の売上高構成比は、情報サービス88.0%、システム機器販売12.0%であった。情報サービスの内訳を全体に占める比率で見ると、システム構築62.7%、システム運用管理17.9%、その他情報サービス7.3%である。情報サービスが全体の約9割を占め、その中でもシステム構築が主力サービスとなっている。品目別の内容は以下のとおりである。

(1) 情報サービス
情報サービスは同社の中核事業であり、顧客の情報化ニーズに対して、企画段階からシステム構築、運用管理、デジタル基盤整備・保守まで、幅広いサービスを提供する。金融、公共、製造、流通、サービスなど多様な業種を対象に、受託開発、クラウド・BPO・データセンターサービス、ネットワーク環境の設計・構築などを組み合わせ、継続的なIT支援を行う。

a) システム構築
システム構築は、全体の売上高の6割強を占める同社グループの主力品目である。金融、公共、製造、流通、サービスなど幅広い業種の顧客に対し、アプリケーション・ソフトウェアの受託開発、パッケージソフトの開発・販売、技術者派遣などを行う。主要取引先は、SMBCグループ、富士通グループ、金融機関、地方公共団体、一般事業法人である。

自社開発のパッケージソフトとしては、国公立大学においてトップクラスのシェアを有する「授業料債権管理システム」に加え、自治体向けの子育て支援・学童保育など周辺業務パッケージ「Sossian」シリーズ、金融機関向けの「決算システム」、民間企業向けで、SMBCグループの決済サービスとの連携が可能な「さくらUTOPIAゲートウェイ(債権管理・入金消込)」などが挙げられる。

b) システム運用管理
システム運用管理は、クラウドサービス、BPOサービス、ハウジングサービスなどのデータセンターサービスに加え、データ入力、印刷などを含めたアウトソーシングサービスで構成されている。主要取引先は、SMBCグループ、金融機関、地方公共団体、一般事業法人である。

c) その他情報サービス
その他情報サービスでは、システム基盤やネットワーク環境など、デジタル基盤に関する設計・構築のほか、有料職業紹介を行っている。また、システム構築、システム運用管理、システム機器販売の取引先などに対し、コンピューター保守業務なども提供している。

(2) システム機器販売
システム機器販売では、各種コンピューター機器の選定・販売に加え、関連する周辺機器や備品などを取り扱っている。主要仕入先は富士通Japan(株)であり、主要販売先はSMBCグループ、金融機関、地方公共団体、一般事業法人である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 さくらKCS Research Memo(3):金融・公共・産業向けに、情報サービスの提供やシステム機器販売を行う